Jリーグ最優秀ゴール賞の広島MF川村拓夢が感じた手応え 青山敏弘と指揮官から贈られた言葉「一気に自信が付きました」
【インタビュー】青山敏弘から「子供たちのお手本になるんだよ」
9月3日に行われたJ1リーグ第28節清水エスパルス戦で、推定約60メートルの超ロングシュートを決めたサンフレッチェ広島MF川村拓夢の一撃が、2022年Jリーグ「最優秀ゴール賞」に選ばれた。「自分の武器はこの左足のキック。『左利きの選手と言えば、やっぱり川村』と言われるような選手になりたい」と語る23歳が今季を振り返った。(取材・文=石川 遼)
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――最優秀ゴール賞受賞おめでとうございます。9月度の月間ベストゴール受賞の際にも「まさか自分が」と驚かれていましたが、改めて今回の受賞の知らせを聞いた率直な感想を教えて下さい。
「ありがとうございます。今回も本当に驚きしかなかったですね」
――キックに自信を持つ川村選手らしいゴールでした。蹴った瞬間にはもうゴールを確信していたそうですね。
「はい。蹴った瞬間にもう決まったと思って、ゆっくりベンチの監督のところに歩いていって喜びました。試合終了間際で自分たちが1人少ない状況でもあったので、思い切って狙いました。自分の武器はこの左足のキックですし、『左利きの選手と言えば、やっぱり川村』と言われるような選手になりたいですね」
――月間ベストゴール受賞時に2012年に青山敏弘選手がエディオンスタジアム広島で決めたロングシュートを目標にしていたとコメントしていましたが、実際に青山選手とはゴールについて話しましたか?
「あの受賞コメントを青山さんが読んでくれたみたいで、今度はこのゴールを見た子供たちがプロに憧れる、そういう子供たちのお手本になるんだよという話をしてくれました」
――年間ベストゴールのノミネートの中で、川村選手が気になるゴールはありましたか?
「僕は正直、鹿島アントラーズのエヴェラウド選手のゴールが選ばれると思っていました。あのゴールは本当に誰にも真似できない。僕のゴールはやろうと思えば、たぶん誰にでもできますから(笑)」
――直近3シーズンは公式戦で計22得点。2020年が6得点(愛媛FC/J2)、21年が9得点(愛媛/J2)、そして今年が7得点とコンスタントにゴールを決めています。得点だけで評価されるポジションではないと思いますが、ゴールへの意識は強く持っていますか?
「そうですね。僕自身もここまで得点できるとは想像できていなかったんですけど、今はそれが自分の特長になっていますし、試合の中で自分が予測したところにボールが転がってくる回数も増えてきています。広島に戻ってきて(過去3シーズンは愛媛へ期限付き移籍)自分がほしいタイミングで出てくるパスの回数が多くなりました。それによって今年は大事な試合でゴールという結果を残すことができましたと思います」
――今まさにおっしゃっていたように、今年はタイトル争いの重要な試合でゴールを決める姿が印象的でした。メディアで川村選手の名前が取り上げられる機会も多かったように思います。今シーズンを振り返ってみて、手応えを感じた部分を教えて下さい。
「清水戦で2ゴールを決めて、個人としてもJ1でやっていける、自分の強みが通用すると手応えを感じました。その清水戦の後に(ミヒャエル・スキッベ)監督から『やっと自分の才能に気づいたか』と言っていただいたんです。もう本当にカッコ良かったですし、それで一気に自信が付きましたね」