「J1参入プレーオフ出場」4チームの見逃せないキーマン厳選 岡山、熊本、大分、山形…J2クラブ“推し”の主役候補は?

押しも押されもせぬ山形の司令塔、“ヤマのキング”になれるか

■モンテディオ山形のキーマン:山田康太(MF)
今季J2リーグ成績:35試合5得点

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 押しも押されもせぬ山形の司令塔であり、卓越したチャンスメイクに加えて、機を見た飛び出しなど“もう1人のフィニッシャー”としても相手ディフェンスの脅威になる。非凡なテクニックを備えながら、攻守両面でハードワークできることが評価されていた。

 下部組織で育ち、甘いルックスから“ハマのプリンス”とも呼ばれた横浜F・マリノスでは、そのニックネームとは裏腹に、マルチロールとして守備的なポジションでも起用されるなどオプションの立ち位置だった。そこから期限付き移籍した水戸ホーリーホックで、中盤の主軸としての立ち位置を確立できずに、山形に環境を変えて再挑戦することとなった。

 山形で成功した大きな理由は、継続して攻撃的なポジションで起用される中で芽生えた、チームの中心としての自覚、そして元横浜FM時代のコーチでもあるピーター・クラモフスキー監督の信頼だろう。4-4-2の時は2トップで起用されるなど、あくまで攻撃の中心を任された。それだけに、常に相手のマークに遭うことになるが、最近はそれらを逆利用して、味方を生かすプレーが目立つ。

 奇しくも4-2-1-3というマリノスと同じシステムで、トップ下を担うようになった山田。徳島ヴォルティス戦でプレーオフに導く2得点を決めたFWディサロ燦シルヴァーノなど、周囲のアタッカー陣を生かしながら、昇格のヒーローとなれるか。その時こそが“ヤマのプリンス”が“ヤマのキング”になる瞬間かもしれない。

(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)



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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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