2年目のサッカー女子WEリーグ開幕 “声出し応援解禁”に浦和監督や選手ら好感触「やるしかないという気持ちにさせてもらった」

チーム2点目を決めた清家貴子【写真:Getty Images】
チーム2点目を決めた清家貴子【写真:Getty Images】

WEリーグ開幕戦、浦和が長野に3-2勝利 声出し応援で戻りつつある本来の姿

 日本女子のプロサッカーリーグ「WEリーグ」は、10月23日に三菱重工浦和レッズレディースとAC長野パルセイロレディースが開幕戦で対戦し、浦和が3-2で勝利した。昨季の創設から2シーズン目の開幕戦では、新型コロナウイルスの影響で制限されてきた声出し応援が解禁となり、埼玉スタジアムに声援が響いた。

 浦和は前半5分にワンタッチパスの連続からMF塩越柚歩がチームの今季リーグ初ゴールを決め、同11分にはMF清家貴子がゴール前で相手に競り勝って追加点。ミスから2失点もあったものの、後半にはFW島田芽依が追加点を奪っての勝利だった。

 楠瀬直木監督はこうした試合展開について「5点も入ったので見ている人はそれなりに面白いかもしれないけど、こちらとしてはしっくりしない、絞まりのないゲームになってしまった」とは話したものの、昨季との最も大きな違いはそうしたゴールシーンに対して声援があることだった。

「自分自身、声出し応援を経験していなかった。レッズの応援は迫力がある。それがあっての楽しみもある。見に来てください、でも声を出さないでくださいというのは楽しさが半減してしまうと思う。そこは大きなことだと思う。まだいろいろな制限はあると思うけど、良い試合を見せていく、躍動感のあるものを見せていくようにしないといけない」

 2点目を決めた清家もまた「アップの時から歓声が聞こえる、自分のチャントはこれだったなと。気分が上がった。やるしかないという気持ちにさせてもらった。この応援ができるチームはなかなかない。レッズの強みだと思う。5000人近い(4604人)お客さんで、ぜひ駒場でもそれくらい来てもらいたい。そのためにはもっと面白いサッカーをしないといけない」と笑顔を見せながら、声援やリアクションが次にもっと良いものを見せたいというモチベーションにもつながる一面を話した。

 WEリーグでは昨日の開幕戦から、付帯条件はあるものの「主管試合において観戦席の一部もしくはすべてで声出し応援席を設けることができる」というガイドラインで試合を運用している。

 昨季の開幕シーズンでは集客に苦戦したことが浮き彫りになった。試合があること、新たなリーグ戦がスタートしていることの周知、告知といった要素と同時に、リピーターを獲得するという意味では観戦に訪れた場所が魅力的な空間であることが絶対的に必要なことになる。その意味では、声援のあるサッカー本来のスタジアムが戻りつつあることは、2年目のWEリーグにとってプラス要素になると言えるはずだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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