41歳MF山瀬功治を支えた妻の“料理”と“化学” 大怪我で“引退危機”から復活に導いた普通と違う食の視点「受け入れてもらえなかった」

理恵子さんは山瀬と二人三脚で日常を歩んでいる【写真:本人提供】
理恵子さんは山瀬と二人三脚で日常を歩んでいる【写真:本人提供】

夫の体調に合わせて毎食欠かさず取るコミュニケーション「自分の知識を凝縮」

 日々のレシピは夫とのコミュニケーションの中で生まれる。例えば胃腸の調子が良くないとなると、カモミールジャーマンを使用。血流を流したいとなると、炒めたショウガやシナモンを使用する。毎日、毎食、山瀬から細かな“オーダー”があるため、見合った食材を使って、レシピを組み立てていく。

「夫がどういう体調になりたいかで調理法も変える。例えば今41歳で、老化の進行で脳の反応が遅いから目がよく動かなくなった、とか細かく言ってくる。そういう場合は、神経伝達を良くするようなタンパク質B群というカルシウム、マグネシウムというような栄養構成が入ってくる。そのなかで、マグネシウムが豊富なのは海藻、とはめ込んでいく。夫のコンディションに向かって自分の知識を凝縮したものを料理としてまとめる感じ。毎食コミュニケーションを取っている。だから、先に作るとかはあまりしていない。練習で怪我をして帰ってくる可能性もあるので」

 理恵子さんが徹底して栄養からサポートして支え続けたからこそ、山瀬は今季でプロ23年目を迎え、MF遠藤保仁(ジュビロ磐田)に次ぐJリーグ23年連続ゴールも記録。大きな怪我を何度も乗り越え、今季もここまで33試合に出場している。夫婦、二人三脚で歩んできた山瀬家の日常。山瀬の現役ストーリーには理恵子さんの壮絶な努力が欠かせなかったはずだ。

[プロフィール]
山瀬理恵子(やませ・りえこ)/1977年生まれ、北海道十勝郡浦幌町出身。夫はプロ23年目の元日本代表MF山瀬功治。小学校教諭を経て現在はアスリート向けの料理を中心とした料理研究家。所属協会は日本メディカルハーブ協会、日本アロマ環境協会、日本ホリスティック医学協会、日本スポーツアロマトレーナー協会等多数。所有の資格は、初等教育教員免許、一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所認定ONE第4期(オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート)、日本食育インストラクター協会認定「食育インストラクター」、日本フードコーディネーター協会認定「フードコーディネーター」、日本アロマ環境協会認定「アロマテラピーインストラクター」、日本スポーツアロマトレーナー協会認定「スポーツアロマトレーナー」、日本メディカルハーブ協会認定「ハーバルセラピスト」、日本アスリートフードマイスター公認「アスリートフードマイスター3級」など。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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