森保ジャパン「最適布陣&スタメン」考察 ドイツ、コスタリカ、スペイン…W杯グループ3戦で採用すべきシステムは?

ドイツ戦スタメン予想【画像:FOOTBALL ZONE編集部】
ドイツ戦スタメン予想【画像:FOOTBALL ZONE編集部】

【識者コラム】各国との対戦を見据えながら、森保ジャパンの「最適布陣」を考察

 カタール・ワールドカップ(W杯)メンバー発表前、最後のテストマッチとなった9月の欧州遠征2試合で、日本代表の森保一監督はシステムや選手起用を複数パターンテスト。アメリカ戦ではハイプレスが奏功し2-0勝利、一方のエクアドル戦では球際での強度の高さに苦戦し、0-0のスコアレスドローで終えた。

 アメリカ戦、エクアドル戦とも、スタート時点での布陣は4-2-3-1を採用。W杯アジア最終予選の途中から主戦システムとなった4-3-3を含め、さまざまな可能性が見えてきたなかで、ドイツ、コスタリカ、スペインと対戦する本大会では、果たしてどのシステムで戦うべきか。ここでは、各国との対戦を見据えながら、本大会でベスト8入りを狙う森保ジャパンの「最適布陣」を考察する。

■グループリーグ第1戦:対ドイツ(FIFAランキング11位)
11月23日(現地時間16時・日本時間22時/ハリーファ国際スタジアム)

【採用布陣】4-2-3-1システム

 9月のアメリカ戦でテストしたメンバーがベースで、左サイドバックは1対1の守備に滅法強いDF長友佑都(FC東京)をMFセルジュ・ニャブリ(バイエルン・ミュンヘン)やMFヨナス・ホフマン(ボルシアMG)に当てる。1番のテーマはドイツのゲーゲンプレスをいかに回避して、効果的な攻撃につなげられるか。もちろん、まともに勝負して中途半端なロストからカウンターはご法度だが、すべてロングボール逃げていたらドイツの思うツボである。

 シュミット・ダニエル(シント=トロイデン)をGKのファーストチョイスに推したいのもそこで、相手のプレスをいなす時はいなし、蹴る時は蹴る。単に蹴るのではなく、しっかりと前線のFW前田大然(セルティック)をライン裏で勝負させられるボールを蹴ることで、ドイツが下がった手前のスペースを有効活用していきたい。中盤から前の選手たちは守備強度を出しながら、最も効果的なショートカウンターを繰り出せる選手たちだ。

 前半をスコアレスのまま終えられたら理想的で、後半途中から1トップをFW古橋亨梧(セルティック)かFW浅野拓磨(ボーフム)にチェンジ、左には勝負のカードとしてMF三笘薫(ブライトン)を投入する。三笘本人は「もちろんスタメンで出たい」と語っているが、今回のW杯で最大限のスペシャルを発揮するなら全試合ジョーカーとしてスタンバイしてくれたほうが心強い。

コスタリカ戦スタメン予想【画像:FOOTBALL ZONE編集部】
コスタリカ戦スタメン予想【画像:FOOTBALL ZONE編集部】

■グループリーグ第2戦:コスタリカ(FIFAランキング31位)
11月27日(現地時間13時・日本時間19時/アフメド・ビン=アリー・スタジアム)

【採用布陣】4-3-3(4-1-4-1)システム

 ドイツ戦のスタメンは結果がどうなっても、心身ともに相当な消耗となるはずで、かなりフレッシュなメンバーでコスタリカ戦に挑みたい。無論、簡単な相手ではないコスタリカから勝ち点3を取るための最適解であることが条件だ。

 堅守速攻がベースのコスタリカに対して、後ろから安定したビルドアップができる4バックで、中盤も3ボランチというより相手のライン間でボールを持てるMF原口元気(ウニオン・ベルリン)とMF鎌田大地(フランクフルト)を活用。右のMF堂安律(フライブルク)とDF山根視来(川崎フロンターレ)は9月のエクアドル戦で前半は連係不足も見られたが、徐々に良くなって話し合いも見られた。ポテンシャルのあるラインだと考える。

 4-3-3と言っても4-2-3-1の可変を前提としているので、左はMF南野拓実(ASモナコ)、鎌田、DF中山雄太(ハダースフィールド・タウン)でトライアングルを作りながら、南野(選ばれていれば旗手怜央でも面白いが)はFW上田綺世(セルクル・ブリュージュ)のすぐ近くに流れて、その手前スペースを鎌田が使っていく。前半リードを奪って折り返せれば良いが、MF三笘薫(ブライトン)、MF伊東純也(スタッド・ランス)、MF久保建英(レアル・ソシエダ)などを交代カードとして残しているので、4-4-2というプランもある。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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