スーパーセーブ連発&代表初得点の“トリリンガルGK”イゴール、現地では大会MVPに推す声も

大会MVPへの期待は一蹴「そんな先のことまでは考えていません」

 イゴールは2020年1月に、10万人に1人の確率で発症すると言われるギラン・バレー症候群を患った。屈強なアスリートだったイゴールだが、半身が動かない状況にもなり、二度とフットサルができなくなることも覚悟した。しかし、そこから懸命な治療、家族の協力、そして何より本人の努力もあって、病を克服。再び日の丸を付けて戦う目標を達成した。

 公式会見の場では、地元の記者から「ゴールを守り、得点も挙げました。このパフォーマンスならば、大会MVPになると思うが狙っているのか?」という質問が出た。まだ決勝ラウンドが始まって1試合目で出た質問に、やや戸惑いの表情を見せたイゴールだが、その評価に喜びつつも、「そんな先のことまでは考えていません」と否定した。

「僕の目標はチームをできる限り助けること。別の選手が大会MVPに選ばれても、それは僕にとっても素晴らしいことです。僕にとって重要なのはチャンピオンになるために、自分がチームを可能な限り助けること。それ以外は頭にありません。大会MVPではなく、日本代表がチャンピオンになる助けをしたい。それがすべてです」

 日本のゴール前で絶大な存在感を示し、今大会で2度の完封試合でもゴールを守り続けたイゴールは、たしかにMVPの有力候補だろう。過去に日本代表からは、現フットサル日本代表監督の木暮賢一郎氏とスペイン1部ベティスでプレーしているFP逸見勝利ラファエルしか受賞していない、アジア杯のMVP。イゴールが、この賞を受賞するパフォーマンスを見せ続けていれば、日本は悲願の8年ぶり4度目の優勝に大きく近づいているはずだ。

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