「自分の力で変えたい」 鈴木武蔵が誓う苦境のG大阪を救う決意、J1残留への鍵は?
【独占インタビュー】今夏加入したG大阪FW鈴木武蔵が現況を語る
今、J1ガンバ大阪が苦境に立たされている。今季、片野坂知宏監督の下でスタートしたチームは現在17位と自動降格圏内に沈み、厳しい残留争いを戦っている。必ず逆境に打ち勝つ――。今夏、G大阪の救世主としてベルギー2部ベールスホットから加入した元日本代表FW鈴木武蔵が残留への想いを明かした。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞/全2回の1回目)
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今年6月下旬、鈴木は悩んでいた。自身のキャリアにおいてターニングポイントとも言える選択だった。古巣の北海道コンサドーレ札幌、そしてG大阪から獲得オファーが届いた。縁もゆかりもない大阪の地。チームはシーズン当初から苦しい状況が続いていた。だからこそ、鈴木の心を奮い立たせた。
「もちろん、めちゃくちゃ悩んだ。でも自分の中で移籍する時はチャレンジできるところ、新しいことを見つけられそうなところに行きたいな、ということがルールじゃないけど、新しい冒険、チャレンジしたいという想いが常にある。選手として、それが僕なりの生き方。自分の今までの感覚に従って決断した。個人的にはいくつか要素があって、強化部長はじめ、G大阪の皆さんが熱心に僕のことを評価してくれた。今ガンバを助けてほしいという思いがあって、僕自身も新たなチャレンジしたいし、これだけ規模の大きいクラブでやれる経験というのはサッカー選手の中でもそんなに数多くあるチャンスではないと思ったし、ガンバの10個目のタイトルを僕がいる時に獲れたらいいなという思いで決めました」
7月16日、ホームで行われた“大阪ダービー”のリーグ第22節セレッソ大阪戦で先発しデビュー。絶対に負けられない戦いで1-2と屈辱的な逆転負けを喫した。チームはこの敗戦で3連敗、第23節京都サンガF.C.戦は1-1では引き分けたが、その後の清水エスパルス戦(0-2)、サンフレッチェ広島戦(2-5)でも敗れた。加入後、なかなか勝てない状況が続いた8月27日の第27節名古屋グランパス戦、鈴木にも待望の初ゴールが生まれた。
1-0でリードするなか、後半27分から途中出場。同42分、G大阪はGK東口順昭がパントキックで前線へパス。鈴木が相手ペナルティーエリア手前左で収めると、そのまま中央へ持ち運んでペナルティーアーク後方から右足を振り抜く。ゴールまで約25メートルの位置から放った強烈な一撃がゴール左上に吸い込まれ、名古屋のGKランゲラックも無力化するスーパーゴールでチームの勝利に貢献した。
だが、チームの厳しい状況は変わらない。鈴木自身も“救世主”として加入した重圧を感じていた。