A代表初スタメンの宮市亮、日本代表OBが「伊東純也に劣らない」ために要求したポイントは?

中国戦でスタメン出場となったFW宮市亮【写真:高橋 学】
中国戦でスタメン出場となったFW宮市亮【写真:高橋 学】

【専門家の目|栗原勇蔵】10年越しの代表復帰で「キレが戻ってきた」

 横浜F・マリノスのFW宮市亮は、7月24日に行われたE-1選手権第2戦の中国戦(0-0)でA代表初スタメン。スピードに乗ったドリブルで攻撃を牽引し、元日本代表DF栗原勇蔵氏も「キレが戻ってきた」と高く評価している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 2012年にA代表デビューを飾り、今シリーズで10年ぶりの代表復帰となった宮市は、7月19日の香港戦を含めて過去3試合はすべて途中出場。中国戦がA代表初スタメンとなり、4-2-3-1システムの右サイドハーフに入った。

 日本は宮市が右サイドで果敢にドリブル突破を仕掛け、中国ゴールを脅かす展開。徐々に宮市へのマークが厳しくなり、前半38分にスルーパスへ抜け出した際には、食らい付くDFウー・シャオツンのほかに、キャプテンのDFチュー・チェンジェも猛スピードでゴールライン際へカバーに入り、そのまま交錯。宮市はピッチに倒れ込んでしばらく動けなかった。

 後半4分にはカウンターを発動して縦に仕掛けようとしたところをうしろからファウルされるなど、推進力で存在感を発揮。後半24分までプレーしてピッチをあとにした。

 宮市がA代表デビューを果たした2012年当時に共闘した元日本代表FW栗原氏は、「中国が引いて守って難しいなか、スピードに乗ったドリブルからいいセンタリングを上げていた。やっぱり速いというプレーを何回も見せてくれたし、キレが戻ってきたのかなと思います」と語った。

 日本代表の右サイドには、FW伊東純也(ヘンク)という不動の存在がいる。その壁は当然高いが、“ある点”を改善すれば、宮市も決して劣らないと栗原氏は見解を述べる。

「伊東はコンビネーションも使えるし、センタリングの精度も高い。宮市もスピードでは負けていないですけど、最後のセンタリングのところでスムーズに上げられるようになれば伊東に劣らないと思います。スピードあるドリブラーがそのままスムーズにセンタリングを上げられる選手もいれば、最後に少し減速しないと上げられない選手もいて、そうなると相手に足を出されて合わされてしまう。宮市はクロッサーではないけど、今の代表に求められる要素ではある。宮市は実際のところ、左(サイド)のほうが得意。三笘(薫)みたいに縦に行って、中に切り込んで右足で勝負できる。両方完璧にできるようなレベルじゃないと、今から(ポジション争いに)食い込むのは簡単ではない」

 海外での10年間で怪我に苦しんできた宮市が、A代表の舞台でも輝きを放とうとしている。

栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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