「震えが止まらなかった」アキレス腱断裂の瞬間 宇佐美貴史、プロ生活初の大怪我でも恐怖に打ち勝てる訳

「自信がない状態で戻りたくない」 最後は“恐怖心”に打ち勝てるか

「100点の形で進んだら9月ぐらい。最悪の0点は今シーズン出られない。50点は今シーズン中に1試合、2試合出る。正直、どれになりうる可能性もある。自信がない状態で戻りたくないし、恐怖心がある状態で戻りたくない。『よし、大丈夫』という状態でやりたいから、それが患部の状態なのか、コンディションなのか、恐怖心を拭えるのか、という要素はある。100点でいけるように考えているけど、もしかしたら0点かもしれないし、1試合2試合出て今シーズン終わるかもしれない」

 最後は恐怖心に打ち勝てるかどうか。

「受傷した時、強度が少ない時に受傷している。日常生活で言ったら、子供がソファから落ちそうな時に『危ない!』というぐらいのパワーの使い方。ちょっとグッと力が入るぐらいで、バチッ!となっているから。最後はそこ(恐怖心に打ち勝てるかどうか)かなと思う。心身ともにOKとなっていても、恐怖心を忘れられるか、というところ」

 まだまだ、先の見えないトンネルを歩いている。リハビリ中でも「昨日より全然いい!と思えたことがない」というほど、ゆっくり、ゆっくり怪我と向き合っている。みんなが待つピッチへ再び立つ時、何倍も強くなっている宇佐美を見られるはずだ。

[プロフィール]
宇佐美貴史(うさみ・たかし)/1992年生まれ、京都府長岡京市出身。兄と同学年の家長昭博が在籍していた長岡京サッカースポーツ少年団(長岡京SS)からガンバ大阪ジュニアユースに入団。中学3年でユースに飛び級昇格し、レギュラーに定着した。クラブ史上初めてとなる高校2年生でトップチームに昇格。2011年にはバイエルン・ミュンヘンへ移籍した。翌シーズンはホッフェンハイムで過ごし、13年途中にG大阪へ復帰。同年のJ2昇格、翌14年の三冠獲得にエースとして貢献した。16年途中から2度目の海外挑戦へ。19年6月から再びG大阪に復帰している。各年代別代表で活躍し、ロンドン五輪に出場。18年ロシアW杯メンバーにも選出された。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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