香港戦は「今後2試合に向けた練習」 英記者が指摘する「一考の余地」が生まれるシチュエーションは?

香港に6-0で快勝した日本【写真:徳原隆元】
香港に6-0で快勝した日本【写真:徳原隆元】

【識者の目】香港戦で「何を言うべきか難しい」

 日本代表は7月19日に行われたE-1選手権初戦で香港に6-0で快勝した。国内組にとっては最後のアピールの場となるなか、MF相馬勇紀(名古屋グランパス)、FW町野修斗(湘南ベルマーレ)、FW西村拓真(横浜F・マリノス)が2ゴールを記録。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、「中国戦や韓国戦の出来次第ではメンバー構成に一考の余地が生まれるはず」と説いている。

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 7月19日のE-1選手権開幕戦で日本が香港を圧倒したような一方的なゲームになると、何を言うべきか難しい時がある。

 カシマサッカースタジアムに集まったファンの数(4980人)は少なかったが、森保一監督率いるチームは完全に優勢なゲームを支配した。2013年以来となるタイトル獲得奪還に向けては、中国(24日)、韓国(27日)とのより厳しい2試合が待っている。

 90分を通してプレッシャーもほとんどかけられることがなかった香港戦は、日本にとって今後の2試合に向けてトレーニングセッションに過ぎなかっただろう。

 香港には日本に抵抗する力はなかった。ヨルン・アンデルセン監督は香港を来年のアジアカップ出場に導いて歴史に名を刻んだが、Jリーグ組から選ばれた日本との間にも大きな隔たりがあるのは明らかだった。

 アンデルセン監督はチームが高い位置からプレスをかけることを好み、それがどのような相手でも変わらないことを強調していたが、そのアプローチによる大きな代償を支払うことになったのだ。

 香港は守備を固めることができず、日本にパスを回す余裕を与えてしまっていた。森保ジャパンはその恩恵を喜んで受け入れ、開始2分で相馬勇紀の直接FKによる先制ゴールで完璧なスタートを切った。その後は日本が何点取るかの試合展開となった。

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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