闘莉王が五輪決勝で感嘆した“銀メダル”ドイツに流れる勝者のDNA 「ブラジルとは格が違った」

母国がPK戦を制して悲願の金メダルも「正直ブラジルが負ける展開だった」

 リオデジャネイロ五輪男子サッカー決勝で、開催国のブラジルがドイツをPK戦にもつれ込む死闘の末に撃破し、サッカー王国史上初となる五輪金メダルを獲得した。元日本代表DF田中マルクス闘莉王は祖国ブラジルの悲願達成について、揺るぎない堅守と指摘。一方で圧倒的なアウェーで奮闘空しく惜敗したドイツの強さについて、「いまだブラジルよりも上だ」と独自の分析をしていた。

「ブラジルにとっては本当に最高の展開になった。国中が盛り上がっている。スタジアムだけでなく、街もみんな大騒ぎ。正直見ていて、ブラジルが負ける展開だった。PK戦に持ち込まれて敗北を覚悟するほど、後半と延長戦はドイツの展開だった。ブラジルの優れた個人技を、パスワークで殺していた。ドイツはさすがだなと改めて感じさせられた」

 昨季限りで名古屋グランパスと契約満了となった闘莉王は現在、祖国ブラジルで自主トレを続けている。リオ五輪期間限定で「Football Zone Web」の特別解説を務めている闘将は、“マラカナンの歓喜”についてこう語った。

 ブラジルは前半28分、エースFWネイマールの完璧な直接FKで先制した。だが後半14分に、ドイツのMFマキシミリアン・マイヤーにゴールを許して追いつかれてしまう。

「決勝の重圧だね。選手も監督もプレッシャーを感じていた。この1点を大事にしようと考え過ぎたことが逆効果になった。自陣に引いてカウンターで取れればブラジルの展開になったけど、ドイツが落ち着いていた。(準決勝で6-0と勝利した)ホンジュラス戦の勢いそのままでいければ良かった。引いて守りに入ったことでブラジルの脆さが出た。ブラジル代表は精神的な弱さを抱えている。ワールドカップや南米選手権という舞台で長らく勝っていないから、余裕がない。だから、すぐに崩れる。嫌な展開だった」

 

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