「できれば日本で引退したい」 来日9年の湘南FWウェリントンに根付く“ジャパニーズ魂”

ウェリントンは日本で9年目のシーズンを戦っている【写真:Getty Images】
ウェリントンは日本で9年目のシーズンを戦っている【写真:Getty Images】

【助っ人の日本魂】日本初挑戦で生きたドイツでの経験

 湘南ベルマーレのブラジル人FWウェリントンは、2013年の初来日から9年目のシーズンを迎えた。現在、Jリーグに所属する外国籍選手の中では、セレッソ大阪の韓国代表GKキム・ジンヒョンの14年目、柏のブラジル人FWドウグラスの11年目、横浜F・マリノスのブラジル人DFエドゥアルド、名古屋グランパスのブラジル人MFレオ・シルバ、V・ファーレン長崎のブラジル人FWクリスティアーノ、サガン鳥栖の元韓国代表DFファン・ソッコの10年目に次いで、日本でプレーしていることになる。すでに母国ブラジルよりも長く身を置いている日本に魅了される理由とは――。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小田智史/全2回の1回目)

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 ブラジルの名門インテルナシオナルの下部組織で育ち、トップチームに昇格してプロキャリアをスタートさせたウェリントン。2013年に初来日するまでに、ブラジルで7クラブ、ドイツで2クラブ(ホッフェンハイム、デュッセルドルフ)、オランダで1クラブ(トゥウェンテ)を渡り歩いた。欧州を経験していたことで、日本への適応に悩まずに済んだと振り返る。

「日本の真面目さやしっかりしているところはドイツと似ている部分があって、ドイツでの経験のおかげでギャップをあまり感じず、慣れるのもスムーズだったと思います。日本に来る前は、昔の服装をイメージした反面、テクノロジーは進んでいて、いろんなことが起こるだろうなと予想していました。でも、実際にこの地に来て、文化の違いこそあれど、ほかの国と大きな差はなかったし、国として素晴らしい印象でした」

 とりわけ、日本人の真面目さやルール厳守のマインドは、25歳で来日したウェリントンにとっても人生の教訓になったという。

「衝撃を受けたというか、例えば、海外だと信号無視とかルールに関して欠けている部分が少なからずあります。でも、日本はすべてきちんとしていて、改めて自分もしっかりやらないといけないと感じましたし、自分がブラジルに帰った時に日本でやっていることを続けるのが大切だと思いました」

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