柏10番マテウス・サヴィオ、「J1月間ベストゴール」を自己解説 圧巻弾の“一瞬”に隠された感覚の世界「ベストの選択ができた」

ボールを受けた場所は「理想どおり」 相手のスライティングに合わせて瞬時に判断

――ゴールシーンを解説してもらいたいと思います。まずボールを受ける前、本当はもう少し前でもらいたかったのでしょうか?

「いいえ、受けた場所は、理想どおりでした。ボールを受ける前に、私が少し前に出ているように見えますが、マークしていた選手を見ると、私との距離が近かったのです。そこで、前に行くモーションをかけて、動きで相手を釣っておいて、逆を取ることを考えました」

――パスを受けてからは、どのような判断があったのでしょうか。

「ファーストタッチの時に相手のポジショニングを見て、ヒールで相手が届かないところにボールを動かせば、マークが間に合わないと判断して、右足でシュートを打とうと考えました。そのとおりにヒールでターンしてシュートをしようとしたのですが、相手が素早くスライディングをしてきたので、『このまま打てば彼に当たって、ゴールを阻止される』と思い、瞬時の判断で左足に切り返しました。次に、左足でボールを持ち直した時、別のDFの選手が対応してきて、強く寄せられてスペースがなくなりました。そこで、もうワンタッチして、スペースを確保しながら、シュートを打てる角度を探してシュートを打ちました。ベストな選択ができたと思います」

――リプレーを見ると、左足に切り替えた時は、パスコースがなかったと思います。この時は周囲の状況が見えていてパスを選択しなかったのか、初めからシュート以外は考えていなかったのか、どちらでしょうか。

「パスの選択肢は、考えられませんでした。左に切り替えた時、違うDFが寄せて来ていてスペースがあまりありませんでした。そこでもうワンタッチすることで、スペースを作ろうとしました」

――このワンタッチが、ゴールとDFから離れていく絶妙なものでしたね。このタッチで意識したことはありますか?

「切り返した直後に、相手選手とゴールマウスを見て、どういう状況になっているかを確実に把握できました。次の瞬間にもう一歩寄せてくるのが見えたので、ワンタッチすることでかわすことができる、違う局面を作れると思い、そこに賭けて、あのタッチをしました」

――攻撃的なブラジル人選手の多くは、狭いスペースや細かいところでのボールタッチがすごく上手いですが、なぜ、こうしたプレーが得意なのでしょうか?

「子供の頃から、サンダルをゴールにして、ストリートサッカーをやっていました。限られた狭いスペースでプレーしなければいけなかったため、ボールタッチが細かくなりました。また、ブラジル人ビッグネームのロナウジーニョ選手、ロビーニョ選手、ネイマール選手のプレー映像を見て、イメージをストリートサッカーで駆使していたので、小さい頃から特に何かを意識して取り組んでいたわけではありません」

――左足も右足と遜色なく使えますが、それも自然と身に付いたものでしょうか?

「右足が利き足ですが、子供の頃、スクールに通っていた時、監督から『今日は全員、左足のみでシュートしよう』という練習をするような日もありました。また、サッカーを続けていると、みんなが私は右利きであることを分かってきて、警戒するようになります。そこで意表を突いて左足で蹴る時のために、精度を高くすることが重要です」

――ゴールを守っていたのは日本代表GK権田修一選手でした。そうしたことも自信であったり、ゴールをより特別なものにしたりしますか?

「もちろん権田選手のクオリティーは、把握しています。相手が誰であっても、まずは自分がしっかりと点を取れる努力をして、精度を高めながら、ゴールを目指さないといけません。その時々の状況に応じたプレーの確率を上げていくことが大事だと思っています」

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