4月のJ1ベストゴール受賞 G大阪MFダワンのスーパーダイレクトボレー弾を生んだセカンドボールへの意識

局面に応じて適切なキックを選択して練習

――ブラジル時代は、ボランチの位置からサイドにボールを散らすプレーが今よりも多かったように感じます。このゴールの場面やパトリック選手へのスルーパスのシーンのように、Jリーグではゴールへまっすぐ向かうダイレクトプレーが多くなっているように思いますが、それはブラジルと日本のサッカーの違いからプレースタイルを変えたのでしょうか?

「日本でもロングボールを使いますが、日本のサッカーは寄せが早いので、ワンツーやショートパスを相手が来る前に選択して、確実にボールロストしないようにプレーしないといけないシーンが多いと思います。ブラジルでのボランチの役割はボールが入った時に、ウイングが両サイドにいるので、そこにボールを散らしたり、サイドバックにボールを散らしたりしていました。そのため、長いボールが多いと感じられるのではないでしょうか。ただ、プレースタイルを完全に変えたかというと、そうではなくて、試合状況に応じて使い分けています。この京都戦に限って言うと、DFが前がかりにプレスをかけてきていました。パトリック選手からも『君にボールが入った時に、フリーで前を向けていたら、一度、僕を見てほしい。相手が前がかりになっているので、僕が後ろに抜けるから、そこにボールを出してほしい』という要求がありました。そのシーンでは、僕がボールを受けて、前を向いた時に、パトリック選手がしっかり見えたので、アウトサイド気味に蹴ったと思いますが、前線にラストパスを送れたと思います」

――キックの種類が本当に豊富だと感じます。練習の成果を強調されていますが、正しい練習ができないとなかなか技術も向上しません。キックの練習をする際、どのようなことを意識してやるのが重要だと感じていますか?

「個人的にも、インサイドでボールを出す、インステップでロングキックをする、アウトサイドのキックと、さまざまなキックを練習からしています。練習の中でも、最初から100%の確率でパスを成功させるのは難しいでしょう。スタートはミスが多いと思いますが、練習から何気なくボールを蹴るのではなくて、どうすればミスの確率を減らせるか意識して蹴ることです。狙ったところに蹴りたいボールが行くかどうかを考えながらやることが大事です。ただし、キックというのは、僕がこう蹴っているから、誰もが同じようにすればいいというものではありません。1人1人、プレースタイルや特徴は違うと思うので、僕がインサイドで蹴るところをほかの選手はアウトサイドで蹴ったほうがいいかもしれません。局面に応じて、どういうキックをすれば、成功する確率が高くなるのかを考えながら、日々のトレーニングからミスを減らすことを意識することが大事だと思います」

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