「国立に愛された男」ここにあり “怪物”平山相太がサッカーの聖地で活躍できた訳

2007年の横浜FC戦での5人抜きゴールは伝説【写真提供:FC東京】
2007年の横浜FC戦での5人抜きゴールは伝説【写真提供:FC東京】

プロ入り後で印象に残っているのは2009年ナビスコ杯決勝の川崎戦

――プロ入り後も国立では通算17得点を挙げました。プロに入ってから最も印象に残っている国立の試合は?

「2009年のナビスコカップ決勝、(1-0で迎えた後半14分に)ヘディングで決めたゴールが一番印象的ですね。川崎フロンターレとの決勝戦ということで、前評判ではフロンターレが絶対に勝つと言われていました。当時、城福浩監督が『この周りの評価や期待を、勝って裏切ろう』とミーティングで話をして、それでみんなが一致団結できたことを覚えています」

――相性の良かった国立でタイトルの懸かった試合になっただけに、自分が活躍する場面が来たという思いも強くあったのではないでしょうか?

[出場する試合すべてでそう思っていましたけどね(笑)。でも、なぜかしら国立では決められていたので、自分でも『なんでかな』と思っていました。この試合のゴールは、タイトル獲得に直結したものでしたし、自分にとってもプロで初のタイトルだったので、特別な1点になりました]

――ほかにも、2007年のJ1リーグ第25節・横浜FC戦(2-0)では、後半40分に途中出場して5人抜きゴールを決めました。2010年の天皇杯準決勝・鹿島アントラーズ戦(1-2)でのオーバーヘッド弾など、ファンの記憶に残っている鮮烈なゴールが数々あります。

「ああ、忘れていました(笑)。横浜FC戦のゴールは、あそこまで自分で持ち込んで決めるタイプではなかったので、自分にとっては貴重というか、その場でひらめいたことが続いて形になりました」

――位置的にも、ポストプレーをしてもおかしくない場所でボールを受けたと思います。どのあたりから自分でゴール前までボールを運ぶという考えがあったのですか?

「最初は抜くことよりも、敵が来たらかわすという感覚でした。最後にGKを抜く前のディフェンスが来た時には、自分で決めるというふうにひらめいたことで、ネイマールっぽくなったと思います(笑)」

――ゴールパフォーマンスは、ネイマール選手ではなく、元フランス代表FWニコラ・アネルカ選手がやっていたのと同じ“蝶のパフォーマンス”だったと思うのですが、これはどんな意味があったのですか?

「あれは、当時の原博実監督(現・大宮アルディージャ・フットボール本部長)がプレミアリーグが大好きで、ミーティング前とかに早めに来た選手に対して、プレミアリーグのゴール集や試合の映像を流してくれたんです。それを見ていて、『アネルカのゴールパフォーマンス、かっこいいな』と思って、真似してやりました」

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