森保ジャパン、W杯最終予選出場メンバー通信簿 文句なしのMVP&本大会へ“収穫”となったタレントは?

最終予選で4ゴールを決めたMF伊東純也【写真:高橋 学】
最終予選で4ゴールを決めたMF伊東純也【写真:高橋 学】

波がなく、絶対的な存在として君臨した伊東がMVP

【MF】
■原口元気(ウニオン・ベルリン) 6点
最終予選成績:9試合・0得点
 起用法が安定しないなかで、その時のやるべき仕事はやっていた。特に大一番のオーストラリア戦は0-0から試合をクローズする役割と得点チャンスを高める役割、両面で効果的だった。ただ、目標はそこではない。もう一度、本気でポジションを取りに行く8か月に。

■伊東純也(ヘンク) 8.5点
最終予選成績:9試合・4得点
 この予選の文句ないMVP。パフォーマンスにほとんど波がなく、しかもギアが入ると決定的な仕事をできる絶対的な存在だった。前半ベンチスタートだったホームのベトナム戦でも、後半から出てきて逆に際立っていた。ただ、本大会ではどうしてもマークは厳しくなりそう。世界の強豪を相手に同等のインパクトを見せるには彼以外の選手の奮起も必要だ。

■堂安律(PSV) 5点
最終予選成績:2試合・0得点
 まともに出たのは後半18分に投入された初戦のオマーン戦のみ。伊東が絶対的な存在になっていくなかで、割りを食った部分はある。オランダの名門で着実に得点を積み重ねている中で、代表で居場所を見出せないのは難しいが、4-3-3の右は昨季プレーしたビーレフェルトでも慣れているだけに、チャンスをもらえれば再浮上も。

■南野拓実(リバプール) 6点
最終予選成績:8試合・1得点
 ホームのサウジアラビア戦で、伊東を起点とした鋭いカウンターから殊勲のゴールを仕留めたが、多くのチャンスを逃したことも事実。また鎌田と”ダブルトップ下”を組んだ4-2-3-1ほど、4-3-3の左がハマっているとは言い難い。攻守にハードワークしながらボックス内で絡めるシーンは増えているが、本大会では相手との力関係でまた変わってくるかもしれない。

■久保建英(マジョルカ) 5.5点
最終予選成績:4試合・0得点
 確実に勝利に貢献できたのはアウェーの中国戦ぐらいで、現時点では明確なオプションに慣れているとも言い難い。ベトナム戦も守備を固める相手に対して、中に中に行き過ぎてしまった感も。久保が右に入る場合の右サイドバックは酒井や室屋のほうがハマるかもしれないが、システムや組み合わせに左右されず輝けるパーソナリティを高めたいところだ。

■三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ) 6.5点
最終予選成績:3試合・2得点
 大一番のオーストラリア戦では限られた数分間で2得点を記録してヒーローに。スタメンのチャンスをもらったベトナム戦は前半、個人だけでなくチームのプランも明確でない中で、仕掛けが中にかたよった。自在性の高いドリブルと冷静なフィニッシュは大きな武器になることは間違いない。ただし、スタメン奪取には試合を重ねながら、主力との連携やゲームコントロールを磨くことも必要か。

河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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