森保ジャパン“陰の功労者”とは? 金田喜稔が大絶賛「背中で引っ張り、背中で鼓舞できる」

雄弁に物語る原口の“背中”「チーム全体で考えた場合、原口の貢献度は極めて大きい」

 アジア最終予選の日本は苦しんだ。初戦のオマーン戦で0-1と敗れ、第3節のサウジアラビア戦で2敗目を喫し、一時4位まで低迷。だが第4節から6連勝と巻き返し、見事にカタールW杯行きの切符を手にした。そんな日本代表のなかで、悔しさを飲み込みながらも役割を全うした原口を金田氏は称える。

「最終予選を通して、原口のプレー時間は確かに短い。数字上はそうだろう。だが、ワールドカップも経験した男が、短い時間でも身体を張って全力でプレーし、がむしゃらにやり切る姿は、若い人のお手本になる」

 最終予選の9試合中、原口は1試合に先発するも、7試合で後半途中から出場。直近5試合はいずれも10分に満たないプレー時間にとどまっている。文字どおり、終盤の切り札要員となったが、プレー時間以上の貢献度があるという。

「今の原口元気は、背中でチームを引っ張り、背中でチームを鼓舞できる数少ない選手の1人になった。チーム全体で考えた場合、原口の貢献度は極めて大きい」

 今年5月に31歳となる原口。18年ロシアW杯では、16強ベルギー戦(2-3)でW杯自身初ゴールを挙げるとともに、W杯決勝トーナメントでゴールを決めた初の日本人選手となるも、逆転負けの失意を味わった。W杯ベスト16の壁を知る男は、カタール大会で初のベスト8進出を成し遂げるため、背中でチームを引っ張り続ける。

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金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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