三笘とともにピッチへ送り出されたMF原口元気に注目「役割を100％遂行した」

　森保一監督率いる日本代表は、3月24日に行われたカタール・ワールドカップ（W杯）アジア最終予選第9節オーストラリア戦で2-0と勝利し、敵地で7大会連続のW杯出場を決めた。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、W杯出場を決めた森保ジャパンの“陰の功労者”を挙げ、「背中でチームを鼓舞できる数少ない選手の1人」と絶賛している。（取材・構成＝FOOTBALL ZONE編集部）

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　W杯出場が決まったオーストラリア戦、後半39分から途中出場したMF三笘薫（ロイヤル・ユニオン・サン＝ジロワーズ）が圧巻の2ゴールでスポットライトを浴び、国内外から賛辞が寄せられた。金田氏が注目したのは、この日の主役となった三笘とともにピッチへ送り出されたMF原口元気（ウニオン・ベルリン）だ。

「原口は中盤で投入されたが、あの時の状況を考えると、いかに難しいプレーを強いられたかが分かる。日本は絶対に負けられない試合。ただ0-0で終わる想定もしながら、チャンスがあれば機を見て攻撃の比重を高めてゴールへ迫る。敗戦は避けたいが、ドローでも良く、あわよくば勝利を狙う。そんな難しい状況のなか、中盤の一角に入った原口が、攻守どちら寄りのプレーをするかで局面が大きく変わる。その役割は決して簡単ではない。ましてや、オーストラリアとの大一番であれば、そのプレッシャーたるや想像を超えるものだ」

　日本の決勝ゴールは後半44分に生まれた。右サイドのDF山根視来（川崎フロンターレ）が中央にパスを送り、MF守田英正（サンタ・クララ）からのリターンパスを受けた山根が折り返し、最後は三笘が流し込んだ。あの場面、右サイドの山根へパスを送ったのが原口だった。

「試合を締める役割を期待され、まったく隙を与えず、役割を100％遂行した。先制点も原口が丁寧に出した右サイドへのパスが起点となっている。しっかりゲームをコントロールしていたし、1センチでもずれたらミスというぐらい、魂を込めたパスをしていた。気持ちの入った素晴らしいパスだった」