なでしこジャパン長谷川唯が女子アジア杯を回想 「日本のサッカーが世界一になる道」とは?

豪州や欧州チームに漂う雰囲気「日本もそれくらい決定力を上げていかないといけない」

――アジアで対峙するDFと、ヨーロッパで対峙するDFでは、どう戦うかプレーを意識的に変えているのですか?

「そうですね。基本的にはイギリスでは、1つのキックモーションで相手が飛び込んできたりするので、簡単に抜けたりします。でも、アジアではそれをやってもなかなか抜けないイメージがありました。どちらかといえば、日本でやっている時に近いイメージなのですが、中国や韓国は、日本人以上にフィジカルがあるので、すごくやりにくい印象ですね」

――実際に今回、戦ってみて4年前よりもいい感触は掴めましたか?

「今回は、自分が得意とする中央のポジションでプレーする機会もあったので、前回より、すごく手応えがあります。チームとしても、韓国戦の後半は相手がボールを持つシーンが少し長くなりましたが、4年前の大会よりは自分たちが主導権を握り、ボールを持つことが多かったので、その意味でも自分のプレーはしやすかったと思います」

――では、初戦から大会を振り返りたいと思います。グループステージの初戦ではミャンマー代表と対戦して5-0、2戦目ではベトナム代表に3-0で勝利しました。いい結果を収めることができましたが、どちらの試合もチャンスを作りながら苦戦していましたね。

「1試合目の前半は、特にシュートまで行けているシーンも、決定的な場面も多かったので、自分自身を含めて、個人のところで決め切らないといけなかったと強く感じています。ほかにも細かいところを見ていったら、チームとしてどういうふうに戦うべきかというのもあると思いますが、力の差があるなかで、決定的な場面で決めきれない個人のところが目立ちました。

 例えばオーストラリアやヨーロッパのチームには、『点を取る選手はいつでも取る』という選手がいる印象がありますし、格下の相手から1人で5点、6点と取るような選手もいます。日本もそれくらい決定力を上げていかないといけないと思っています。誰が見ても分かるような決定的なシーン、決めなければいけないシーンは、自分を含めてありました。そこはもっとどん欲に、こだわってやらないといけないと思います」

――次の試合は、それまでの2試合とはレベルが違う韓国が相手でした。終盤に追い付かれて1-1で引き分けましたが、この試合はどんな印象でしたか。

「前半と後半で違うゲームになってしまった印象です。前半は韓国が守備をハメることができずに、あまり前から来ない状況のなかで、さらに間も空いていました。日本にとっては、すごくやりやすい守備をしてくれていたので、ボールを持つことができ、チャンスを作ることもできていました。後半に相手がやり方を変えてきたなか、流れが韓国に行ってしまい、そこからゲームのなかで修正できなかったことが、一番の試合の反省点です。普段はセンターバックをやっている選手が、サイドバックを務めたり、そういう少しの違いもあると思うのですが、前からプレッシャーに行けない時間帯が続き、どんどん押し込まれる時間が長くなって、最後に失点をしてしまいました。そこは最後の失点だけを見るのではなく、後半の全体の流れがいけなかったかなと思います」

――良いリズムで試合を進められていた前半に追加点も欲しかったですね。

「そうですね。そこも決定力の話になってしまいますが、1点差ではなく、2点差にするということは、前半の余裕があったからこそ、やらなければいけなかったところです。それでも、1点取れたことはポジティブだったので、後半、ちょっとうまくいかない時にどうするのかを全体で共有できていなかったことが、まだまだなのかなと思いました」

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