浦和MF岩尾憲、いきなり魅せた“頭脳プレー” 「変えたほうが良い」…スーパー杯・川崎戦で発揮した柔軟な判断力

攻守に貢献した浦和MF岩尾憲【写真:Getty Images】
攻守に貢献した浦和MF岩尾憲【写真:Getty Images】

ロドリゲス監督の「ブレーンになれる選手」と言わしめたプレーを披露

 浦和レッズに今季新加入したMF岩尾憲は、2月12日の富士フイルム・スーパーカップでフル出場すると2-0の勝利に貢献。リカルド・ロドリゲス監督と4シーズンをともにして「ブレーンになれる選手」と言わしめたプレーを存分に発揮した。

 岩尾は徳島ヴォルティスでロドリゲス監督の指揮下でプレーし、J1昇格も果たした。ロドリゲス監督は昨季から浦和の監督に就任し、今季から岩尾が浦和に加入。形としては1シーズンの期限付き移籍だが、「遊びに来たわけでも、思い出を作りに来たわけでもない」と決意を示していた。

 そして浦和での公式戦初戦となったこのゲーム、対戦相手はここ5シーズンで4回リーグ優勝の川崎フロンターレだった。ロドリゲス監督はサイドハーフに普段はボランチでプレーするMF伊藤敦樹を起用する策に出たが、岩尾はMF柴戸海とのダブルボランチでチームの心臓部を担った。そして、柴戸を前線のプレスに参加させつつバランスを取り、時には自分が前に出ていく姿も見せ、すでに周囲との連係など違和感のないプレーを見せた。

 2点差の勝利で試合を終えると、天皇杯王者としてこのスーパー杯に臨んだことも含め、感慨深い思いを語った。

「僕にとって浦和レッズで初めての公式戦だったので。それもリーグ優勝の川崎さん。天皇杯を優勝したピッチに立っていない自分、クラブからの期待、楽しみや不安、プレッシャーもあったなか、ここで1つ勝てたのは自分にとって大きいと感じた」

 この試合、後半にはロドリゲス監督が明確な3ボランチに変更したが、「4-5-1のような形からボールに対して誰が出るか整理できていない状態が少し続いたけど、すぐに改善できずに押し込まれた。そういう部分はこれから修正しなければいけないし、共通理解は高めないといけない」と、ピッチ上で状況を整理しつつ課題を認識した。

 そして、後半22分に川崎の最終ラインに自らプレッシャーをかける前半と同様の役割を果たした時に、前半とは違うパスコースの作り方で攻略されてシュートまでいかれると、プレーが切れた際にロドリゲス監督にそのことを伝えに行ったという。

「自分が谷口選手まで行った時に横周りで中に来られた。この行き方をすると、もう相手が修正しているから変えたほうが良いんじゃないかと。そのタイミングでは、もうすぐ交代をするということだったので、スペースを埋める選択を取った」

 ピッチ上での認知能力も含め、ロドリゲス監督が「ブレーン」と最大級の信頼を寄せるのも納得のプレーぶりだった。このゲームでは相手ボールの時間が長かったが、マイボールの時間が長くなった時には定評のあるボールの出し入れやポジション修正、ゲームメイクも見られるだろう。20代中盤までの気鋭のボランチが多い浦和だが、彼らに与えるであろう好影響も含め、岩尾の補強は大きなプラス材料をリーグ優勝を狙うシーズンに向けて与えそうだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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