「ワンダーボーイ」田中達也、レッズで愛されたFWの肖像 血気盛んな原口元気を一喝…浦和の「11番」を定着させた男のキャラクター

今季から加入した同姓同名のMF田中達也も“先代”の偉大さに言及

 どんなに苦しくても全力プレーを止めない姿は、浦和サポーターが期待を持ち続けた。2012年にミハイロ・ペトロヴィッチ監督が就任してからはかなり出場機会が限られてしまったが、当時は血気盛んな若手FWだった原口元気が交代に不満を見せる態度を取った際に一喝するなど、その存在は大きかった。

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 このシーズンで浦和と契約満了になったが、シーズン最終戦のセレモニーでゴール裏には、前述の03年ヤマザキナビスコ杯の決勝でゴールした際、膝で芝を滑りながら手を広げる最も印象的なパフォーマンスポーズのビジュアルが広がった。そしてスピーチでは本人も涙ぐみ、スタジアム中も涙をにじませながら浦和を去った。

 それから9年間が経ち、キャリアの後半を新潟で過ごしたアタッカーは今季限りでスパイクを脱いだが、今でも浦和の「11番」といえば田中達也のイメージが強い。今季からは大分トリニータから移籍加入した同姓同名のMF田中達也がつけているが、“先代”の偉大さを加入時から大きな壁として語っている。

 1993年のJリーグ創設時から苦戦を続けた浦和にとって、クラブが上昇気流に乗るのとシンクロするかのように成長して初タイトルをもたらしたワンダーボーイは、まさしく浦和のレジェンドとしてサポーターたちの心に残り続けている。

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