田中碧が「フロンターレで学べなかった」こと Jリーグ“王者”時代の意外な悩みを吐露

日本代表MF田中碧【写真:高橋 学】
日本代表MF田中碧【写真:高橋 学】

今夏に川崎からドイツ2部デュッセルドルフへ移籍「壁にぶつかっている」

 日本代表は11月9日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の11月アウェー2連戦(11日ベトナム戦、16日オマーン戦)に向けたオンライン会見を実施。MF田中碧(デュッセルドルフ)は、今夏まで所属していた川崎フロンターレでの意外な悩みを吐露している。

 10月シリーズで日本代表に2年ぶりに招集された田中は同12日のオーストラリア戦(2-1)で初先発を飾ると、前半8分にペナルティーエリア右でFW南野拓実(リバプール)のパスを受け、思い切りよく右足を振り抜いてA代表初ゴールを叩き込んだ。

 一方、今夏に加入したデュッセルドルフでは一時スタメンの座を勝ち取るも、10月31日のロストック戦で途中出場。11月6日のハノーファー戦は出番がなく、熾烈な競争が続く。「自分がそこで活躍しないと次の道がないので、彼らの判断基準、技術レベルに合わせて動きやプレーを変えないといけない。ブンデス2部ではフィジカル的なサッカーも多いので、そういうなかでどう輝くか。いろいろな壁にはぶつかっているけど試行錯誤している」と明かす。

 現在の悩みを明かした田中は、「代表戦で見せる自分の姿とデュッセルドルフで見せる姿が180度違うのは分かっている」と自覚しており、代表戦で安堵した部分もあるという。

「代表に来た時に、今までのことができなくなって今やろうとしていることしかできなくなるのでは、持ち味や特徴がなくなっていくと思う。代表で今までやってきたことの姿を出せたのはポジティブだし、見失っていなかったことにホッとしている部分もあるけど、今までより落ちている部分も感じた。今回もサッカーが変わるなかで、自分にできることをしていきたい」

 川崎時代にはJ1リーグ優勝3回(2017年、18年、20年)、ルヴァンカップ優勝1回(19年)、天皇杯優勝1回(20年)を経験。その強さを存分に見せつけていた一方、強者ゆえに学べなかった一面もあったようだ。

「180度違うは言い過ぎたかもしれないけど、何が良い悪いではなく、フロンターレでやってきたのは強いチームでの振る舞い方。ボールを握れるチームでやっていた。そういうところは成長したけど、ボールを握れないチームで必要なことはフロンターレでは学べなかった。苦しんでいるけど、いろいろなことを学んで幅を広げられたら成長できると思う」

 ドイツで新たな壁に直面し、乗り越えようとしている23歳司令塔のさらなる飛躍に期待が懸かる。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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