鬼木監督、川崎連覇の“マネジメント手法”を告白 「選手を信じることが一番大切」

川崎フロンターレの鬼木達監督【写真:小林 靖】
川崎フロンターレの鬼木達監督【写真:小林 靖】

三笘や田中ら主力がシーズン途中に移籍「選手にプレッシャーを与えないようにした」

 川崎フロンターレの鬼木達監督は、3日のリーグ第34節・浦和レッズ戦で1-1と引き分けて優勝を決めた試合後、主力が抜けながら戦ったシーズンについて「選手を信じることが一番大切」と、そのマネジメント手法について話した。

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 川崎は勝ち点12差で2位の横浜F・マリノスとの勝ち点差が今節で1ポイントでも開けば優勝という状況で試合を迎えた。前半にセットプレーの二次攻撃からDFジェジエウが先制して優位な状況で試合を進めたが、後半44分にDF酒井宏樹のゴールで追いつかれて引き分けになった。

 鬼木監督は同時刻キックオフだった横浜FMとガンバ大阪の試合について「結果はゲームが終わってから知った。(自分たちの試合終了後)周りが喜ぶでもなく悲しむでもなくなので状況は分かっていなかった」と話し、途中経過の情報を入れずに指揮を執っていたと明かした。そして、G大阪が1-0で勝利したことで川崎の優勝が決定し、「最後の時間に入れられてあの形だったけど、優勝が決まれば喜ぼうねという話はしていた」と、にこやかに話した。

 クラブの大黒柱だったMF中村憲剛が昨季限りで引退し、MF守田英正は海外移籍。そして、シーズン中にはMF田中碧とMF三笘薫の東京五輪代表コンビがチームから抜けた。そうした状況とチームマネジメントについて、ここ5年間で4回目の優勝を果たした指揮官はこのように話している。

「シーズンの最初からそこに引っ張られないようにしなければいけないと思った。結果が出なければ誰が抜けたと必ず話題になる。そうならないためにも結果を残すことを考えないといけないと思っていた。そのために人をどうやって育てるか、焦っては人は育たないと思うので、そのせめぎ合いを意識しながらマネジメントをしていた。

 それは三笘や田中が抜けた後もそう。今まで選手たちが勢いよくやっていたものが停滞した時、そこを少し我慢の時期、勢いが少し足りなくなってもここを耐えれば伸びてくると選手にプレッシャーを与えないようにした。それが選手に届いたかは分からないが、じれず
焦らずを自分に言い聞かせた。選手を信じていれば良い結果は生まれると、選手を信じることが一番大切だとこの5年間やっている」

 実際にこのゲームでは、中盤3人の中央を大卒ルーキーのMF橘田健人が務め、MF脇坂泰斗は完全な主力に成長。夏に加入したFWマルシーニョは左サイドで突破力を見せ、人が入れ替わりながらもクオリティーを保ちつつ、川崎らしさも維持してシーズンを駆け抜けた。

 今後について鬼木監督は「まずは選手にお疲れ様、おめでとうという話をして、それ以外のことはまだ続くので、次のゲーム、そして天皇杯を獲ろうと話している」と、今季の残り1冠も見据える。主力が抜けながらも4試合を残して優勝へと導き、鬼木監督のマネジメント力が光る2連覇となった。

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(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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