Jクラブも参考になる“アヤックス・スタイル” 主力流出でも機能する成功の要因とは?

チャンピオンズリーグ3連勝と好調のアヤックス【写真:AP】
チャンピオンズリーグ3連勝と好調のアヤックス【写真:AP】

【識者コラム】CL3連勝と好調のアヤックス、ベスト4の3年前と遜色ないチームに

 アヤックスがUEFAチャンピオンズリーグ(CL)3連勝と好調だ。スポルティングに5-1、ベジクタシュに2-0、そして第3節のボルシア・ドルトムント戦は4-0だった。グループCの相手と一通り対戦して3戦全勝、得失点差10と文句なしの首位に立っている。

 CFのセバスチャン・アレルは3試合で6ゴール、今のところバイエルン・ミュンヘンのロベルト・レヴァンドフスキを抑えての最多得点者だ。アレルは27歳とそれなりの年齢だが、アヤックスは相変わらず若手の活躍が目立つ。

 右ウイングのブラジル代表、アントニーは21歳。日本の堂安律と似た持ち方の左利き。チェルシーへ移籍したハキム・ツィエクの穴を埋める活躍をみせている。インサイドハーフのライアン・フラーフェンベルクは19歳、ヨング・アヤックスから昇格して16歳でトップデビューを果たしクラーレンス・セードルフの最年少記録を塗り替えた逸材だ。アンカーを務めるメキシコ代表のアルバレスは23歳。CBのコンビは20歳のユリエン・ティンバーと23歳のリサンドロ・マルティネスである。

 ティンバーは身長179センチ、マルティネスは175センチとCBとしてはかなり小柄だが、ドルトムント戦では194センチのアーリング・ブラウト・ハーランドを上手く抑え込んでいた。機敏なラインコントロールでハーランドの動きを規制し、スピードでも負けていなかった。さすがに何度かはやられそうにはなっていたが、このストライカーを完璧に抑え込めるCBは世界中探してもほぼいないのだから、アヤックスのコンビの仕事は素晴らしかった。

 2018-19シーズンにCLベスト4に入った時のアヤックスも若かった。

 マタイス・デ・リフト(ユベントス)、フレンキー・デ・ヨング(バルセロナ)、ヌセール・マズラウィ、ツィエク(チェルシー)、ネレス、ドニー・ファン・デ・ベーク(マンチェスター・ユナイテッド)といった当時の年齢からするとほぼ大学生のようなチームだった。

 3年前の若いチームの中でベテランとして引き締めていたドゥシャン・タディッチ、デイリー・ブリントは健在で、現在のチームもスティーブン・ベルハウス(29歳)やデイビィ・クラーセン(28歳)と経験豊富な選手がいる。台頭してくる若手を抜擢しながら、足りないところは実績のある選手が抑えるという構成も3年前とよく似ている。

 ドルトムントにほとんど何もさせずにノックアウトしたプレーぶりからすると、グループステージは通過するだろう。その後は組み合わせ次第だが、3年前のベスト4の時と遜色ないチームになっているだけに期待できるのではないか。

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西部謙司

1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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