崖っぷちの日本代表、終了間際に劇的な勝ち越しゴール 豪州との激闘制して2-1勝利
田中碧の代表初ゴールで日本が先制、追い付かれるも相手のオウンゴールで勝利
日本代表は12日に埼玉スタジアムでカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオーストラリア戦に臨み、後半41分の勝ち越しゴールで2-1と競り勝った。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
3試合を終えて1勝2敗と崖っぷちに立った日本の森保一監督は、このゲームで4-3-3へのシステム変更を決断。中盤にMF遠藤航を中央に、両脇をMF守田英正と東京五輪にも出場した若手MF田中碧を並べた。一方のオーストラリアは、ここまで最終予選を3戦全勝で、2次予選から同一大会のW杯予選11連勝の世界記録を更新中という絶好調の状態で日本に乗り込んできた。
最初に大きなチャンスを作ったのは日本だった。前半8分、ペナルティーエリアの左角付近からMF南野拓実が低いクロスを入れると、すり抜けてきたボールをワントラップした田中が右足の低いシュートをサイドネットに流し込んで先制に成功した。最終予選の初出場となった田中は、この大一番で代表初ゴールになった。
その後、オーストラリアにセットプレーの続く難しい時間帯もあったが、GK権田修一を中心にしのいだ。日本は相手ボールを奪ったところから速く攻める形では、可能性のある攻撃を見せながら試合を進めた。同35分には遠藤のボール奪取から一気に速く攻めたが、ゴール正面から放ったFW大迫勇也のシュートは枠外に飛んだ。
ここまで3試合で7得点のオーストラリアを相手に守備からリズムを作った日本は、同41分にはセレッソ大阪でプレーするFWアダム・タガートのシュートがゴールポストを直撃して冷や汗をかいたが、このまま1-0を維持して前半を終了した。
後半も前半と同様の形で試合へ入った日本は同9分、左サイドで守田がフリーキックを獲得すると、田中がゴール前に入れたキックをDF酒井宏樹が打点の高いヘディングで合わせたものの、枠内にシュートを飛ばすことはできなかった。日本は同16分にベンチへ向けて状態の不安を訴えた大迫に替え、FW古橋亨梧を投入。今回は代表チームで定番化されていたサイド起用ではなく、中央に入った。
そうしたなかで同22分、日本は左サイドの突破を許すとマイナスのパスからシュートを打とうとした相手に、守田が必死のスライディングもファウルの判定。主審はPKスポットを指示したが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の判定で、ペナルティーエリアわずか外からのフリーキックに修正された。しかし、少し時間が空いてから再開されたそのフリーキックを、MFアイディン・フルスティッチに豪快に蹴り込まれて1-1の同点ゴールを許した。
再びゴールが必要になった日本は同31分、遠藤のラストパスからFW伊東純也がGKと1対1になったが、シュートはセーブされた。こぼれ球を再び遠藤が狙い、さらに田中も関わっていったが押し込むことができず、大きなチャンスを逸した。直後に森保監督はFW浅野拓磨を南野に代えて投入し、スピードのある選手を前に並べた。
それが実ったのが同41分だった。左サイドのペナルティーエリア内で前を向いた浅野が放ったシュートは、相手DFに当たってループシュートのようになり、さらに相手GKも弾いたボールがゴールポストへ。そこをカバーに来た相手DFアジズ・ベヒッチのオウンゴールになり、日本が2-1で競り勝った。
これで日本は4試合を終えて2勝2敗でオーストラリアとの勝ち点差を3に詰めることに成功した。