EURO決勝をミラン“元10番”が展望 33戦無敗のイタリアで「高く評価する3人」は?

決勝進出を果たしたイタリア代表【写真:AP】
決勝進出を果たしたイタリア代表【写真:AP】

クロアチアの英雄ボバン氏、EURO決勝に進出した2チームを論評

 現在、欧州サッカー連盟(UEFA)でスポーツ部門の職に就いている元クロアチア代表MFズボニミール・ボバン氏が、現地時間11日に行われる欧州選手権(EURO)決勝のイタリアとイングランドについて、それぞれを論評している。イタリアのサッカー専門メディア「カルチョメルカート・コム」が報じている。

 ボバン氏は現役時代にクロアチア代表やイタリア・セリエAの名門ACミランで“10番”をつけて活躍。プレーメーカーとしての能力だけでなく、チームのためにすべてを捧げる献身性からも多くの人々に愛されてきた。引退後は国際サッカー連盟(FIFA)や古巣ミランでも仕事をしていたが、現在はUEFAの所属になっている。

 そのボバン氏は、準決勝でスペインをPK戦の末に破って突破してきたイタリアについては「ロベルト・マンチーニ監督の素晴らしい仕事がある」と、指揮官の能力を高く評価したうえで、GKジャンルイジ・ドンナルンマ、MFフェデリコ・キエーザ、MFジョルジーニョの3人を高く評価している。

「これまでイタリアは団結力、チームスピリットに強みがある伝統で、私たちはそれを見てきた。そして誰もが『相手のレベルが上がったらどうなるのか?』と疑問を持つ。その質は歴代最高のイタリアではないかもしれないが、ロベルト・マンチーニ監督の素晴らしい仕事がある。精神力とチームスピリットだけでなく、状況を読む力を見せている。ドンナルンマはフオリクラッセ(規格外)のレベルにあり、キエーザは潜在的にチャンピオンになる能力がある。そしてジョルジーニョは決定的だ」

 一方のイングランドについては、「彼らはスペインではないが、1対1の強さで支配できる」と、その長所を分析している。

「イングランドは、創造性ではイタリアに及ばないので試合を支配しなければいけない。彼らはスペインではないが、彼らには特筆すべきフィジカルの強さをベースにした1対1の強さがある。そこで試合を支配することができる。その意味でも、ギャレス・サウスゲート監督が採用するシステムにかなり依存するだろう」

 ボバン氏はこう話し、サウスゲート監督がイタリアとマッチアップするようなシステムを採用するかどうかが、勝敗のカギを握るとの見方を示した。局面のバトルが増えれば増えるほどイングランドが有利になり、逆にスペースの取り合いになる戦術的な要素が増えればイタリアに分があるということだろう。

 イングランドは史上初のEURO決勝進出だが、完全ホームのウェンブリーで試合ができるという大きなアドバンテージがある。国際Aマッチ33戦無敗の快進撃で決勝まで進んできたイタリアとの決勝戦が、興味深い一戦になるのは間違いないと言えそうだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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