スペインは「ポゼッションのマエストロ」 EURO決勝進出も大苦戦…伊代表監督が称賛

スペインのパスワークの中心となったMFセルヒオ・ブスケッツ【写真:Getty Images】
スペインのパスワークの中心となったMFセルヒオ・ブスケッツ【写真:Getty Images】

PK戦の末にスペインを破り決勝進出、マンチーニ監督は相手のプレーを称える

 イタリア代表のロベルト・マンチーニ監督は、現地時間6日の欧州選手権(EURO)準決勝スペイン戦をPK戦の末に勝利すると、「相当に厳しい試合だった」としたうえで、スペインを「ポゼッションのマエストロたち」と称した。

 イタリアは前半からプレッシングに出る構えを見せたものの、FWダニ・オルモの変幻自在なポジショニングを起点にスペインに次々と突破された。なんとか無失点でハーフタイムに入ると、後半は全体にブロックを下げてスペースを消して対応。後半15分には速攻からFWフェデリコ・キエーザが先制点を奪ったが、同35分には中央を割られて同点ゴールを許した。1-1からの延長戦でゴールが生まれず、PK戦に4-2で勝利した。

 マンチーニ監督は試合後、イタリア国営放送「RAI」に対して「これはPK戦の結果であり、試合は本当に厳しかった。スペインは偉大なチームで素晴らしいプレーをしていた。私たちも、普段通りではないながらも良い試合ができた。試合前から、我慢せざるを得なくなることは分かっていたからね」とコメント。そして「サッカーの試合は攻撃と守備で成り立つ。私たちもいくつか、彼らと同じくらいの数のゴールチャンスがあった。2つの素晴らしいチームの試合だった」と振り返った。

 そして、イタリアのサッカー専門メディア「カルチョメルカート・コム」がレポートした試合後の記者会見では、あらためてスペインのプレーを称えた。

「あと1試合残っているが、今は回復にすべてを尽くさなければいけない。スペインが素晴らしいチームであり、相当に厳しい試合だった。彼らはポゼッションのマエストロたちだ。困難に陥ることになった。ただ、それにもかかわらず私たちもゴールチャンスを作った」

 2018年のロシア・ワールドカップ(W杯)で欧州予選敗退という大失態を演じたチームの後を継いだマンチーニ監督は、世代交代を進めながらボールを保持した攻撃的なサッカーを展開し、準々決勝まで国際Aマッチ32戦無敗、13連勝と今までのイタリアのイメージを少し変えるようなチームを築き上げてきた。

 しかし、今回のスペイン戦はこのカードの伝統とも言えるような、攻めるスペインと守るイタリアの構図があった。「ポゼッションのマエストロたち」とマンチーニ監督がスペインを称した一方、イタリアは「守備とカウンターのマエストロたち」という過去を思い出させるような姿を見せた。

 ボールを持つサッカー、守って速く攻めるサッカーのどちらにも対応したイタリアを率いるマンチーニ監督は、「決勝のことを考えていこう。4日間の回復を経て臨むことができる」と話した。1日多い休息日を経てイングランドとデンマークの勝者を迎え撃つイタリアは、1968年の自国開催以来53年ぶり2回目の欧州制覇を成し遂げることができるだろうか。

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