未知なる領域を突き進む手倉森Jの“シンデレラボーイ” リオ五輪出場へ「もっと攻めていく」

フィジカルやスピードの部分で得た手応え

「フィジカルの部分であるとか、スピードの部分では通用したところもあるし、自分なりの手応えはある。細かいことをしようと思わず、南米勢を相手に学んだことを次に生かしたいです」

 確かに富樫は駆け引きの巧みな相手守備陣に苦戦しながらも、所属する横浜FMで磨き上げたオフ・ザ・ボールの動きで先手を取った場面もあった。特別指定選手時代から生命線とするゴール前への動き出しがハマれば、今大会でも再びチャンスが回ってくることは間違いない。

 黒星発進となったチームはDF岩波拓也(神戸)が前半途中に左ひざを痛めて途中交代、フル出場したDF亀川諒史(福岡)も右足甲を痛めるなど、初戦を終えた段階でいきなり野戦病院化している。そのなかで富樫は、自身が果たすべき役割をしっかりと認識している。

「ふたりが離脱する可能性があるけど、いかに乗り切るか、試されてくる。中1日で受け身になってしまっては、もっと怪我人が出る可能性がある。もっとやり切る、攻めていくという姿勢で(23日の)ポルトガル戦は絶対に勝ちたいです」

 勝利のために、自身がゴールを決める――シンデレラボーイと目される富樫に課せられた使命は至ってシンプル。次戦以降で明確な結果を残して、リオ五輪本大会への切符を掴むだけだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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