鎌田の切り替えの早さ、プレスバックの強度は「手本になる」

＜途中出場＞
■鎌田大地（フランクフルト／MF／←ハーフタイムIN）＝★★★★

　プレーの落ち着きと視野の広さ、あらゆるアイデアに対応できる技術力など、途中出場ながらピッチ上の“王様”感を漂わせていた。相手のライン間に入ってタイミング良くボールを引き出すポジショニング、そして奪われた後の守備への切り替えの早さとプレスバックの強度を含めて手本になるような選手だ。後半14分に右斜め前の浅野から落としを受けると、体を一瞬左に開きながらトラップし、次の瞬間、相手DFの重心の逆を突いて通した縦パスはセンス抜群だった。代表の中心メンバーとして風格が出てきた。

■坂元達裕（セレッソ大阪／MF／←ハーフタイムIN）＝★★★

　後半開始から出場し、右サイドハーフで国際Aマッチデビュー。左利きらしくセンスを感じる面白い選手だが、この試合ではそこまで良さは見られなかった。周囲との関係性を深めて、次戦では持ち味を発揮したいところだ。

■小川諒也（FC東京／DF／←後半17分IN）＝★★★

　左利きの左サイドバックとして後半途中から投入されたが、試合展開がやや落ち着いたこともあり、攻撃面で良さを見せられず。アピールとまではいかなかった。

■守田英正（サンタ・クララ／MF／←後半23分IN）＝評価なし

　3-1とリードする状況でピッチに入り、限られた時間のなかでアピール。後半30分には強烈なミドルシュートを放つなど、積極的にゴールを狙う姿勢に好印象を受けた。

■谷口彰悟（川崎フロンターレ／DF／←後半29分IN）＝評価なし

　川崎をリーダーとしてまとめている選手だけに、やはりレベルが高く、普段とは異なるボランチでの出場でも新しく入った選手とは思わせないスムーズな溶け込み方ができる。ポテンシャルの高さを示すパフォーマンスだった。

［PROFILE］
金田喜稔（かねだ・のぶとし）

1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車（現・横浜FM）の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。