敵将ペップも「信じられないほど素晴らしい」と絶賛 イングランド17歳“超新星”とは?

ドルトムントMFジュード・ベリンガム【写真:Getty Images】
ドルトムントMFジュード・ベリンガム【写真:Getty Images】

【ドイツ発コラム】ドルトムントで躍動するベリンガム、関係者もポテンシャルを絶賛

 ドルトムントはDFBポカール決勝でRBライプツィヒを下して優勝し、ブンデスリーガでも終盤怒涛の追い上げを見せて来季UEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得となる4位以上を確定させた。序盤はなかなか流れに乗れず、ルシアン・ファブレ監督解任後もしばらく勝ち星から見放される時期があっただけに、首脳陣は満足していることだろう。

 2月から3月にかけては勝ったり負けたりが続き、このままでは目標としているCL出場権獲得は到底無理とさえ思われていた。そんなドルトムントにとって良いきっかけになったのは、イングランド・プレミアリーグを制したマンチェスター・シティとのCL準々決勝ではないだろうか。あと一歩及ばずに涙を呑むことにはなったが、第1戦、第2戦ともに好ゲームを披露した。

 そして、この2試合で特に評価を上げたのがMFジュード・ベリンガムだった。17歳ながらすでにイングランド代表にも招集されている有望株は第2戦の前半15分、ペナルティーエリア内から素早く放たれた右足シュートでゴールも決めている。試合後にはシティのジョゼップ・グアルディオラ監督から、「すでに信じられないほど素晴らしいパーソナリティーがある。とてもいい」と名指しで賛辞を送られたほどだ。

 ベリンガムはイングランド2部リーグのバーミンガム・シティで、16歳でプロデビュー。昨シーズンは35試合に出場し7スコアポイント(4得点3アシスト)をマークし、欧州中のトップクラブが獲得に乗り出していた。そんななか、特にマンチェスター・ユナイテッドはエド・ウッドワード副会長が直接交渉に乗り出し、自分でクラブ内を案内して回ったという。イングランドの有料放送「スカイ」のリポーターを務めるジェームス・クーパーは、「ユナイテッドは将来を担う1人だと確信し、若いイングランドのタレントがクラブにきっと合うと信じていた」と明かしている。

 リバプールやチェルシー、バイエルン・ミュンヘンといったクラブも動いていたなか、それでも最終的に獲得を果たしたのはドルトムントだった。何が決め手になったのだろう。ベリンガムは「バーリンガム・シティには感謝してもしきれない。今シーズンだけではなくて、7歳の時にこのクラブに来て以来ずっと僕のためにしてくれたすべてのことに感謝しているんだ。今はヨーロッパ最大のクラブの一つに加入することにワクワクしている。ドルトムントは若手選手にとって特別だ。僕にとっても家族にとっても決断を下すうえで大事だった」と決断の理由を明かしていた。10代後半の選手が次々とデビューを果たし、継続的に確かなコンセプトの下に起用され、成長しているという事実が何よりものをいったわけだ。

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中野吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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