なぜ三笘のドリブルは止められない? 元日本代表DFが解説「“後出しジャンケン”できる」
三笘の驚異的な突破力を栗原氏がCB視点で解説「だからこそ、止められない」
分かっていても、止められない――。川崎フロンターレのMF三笘薫ほど、今の日本人選手でこの言葉が似合う存在はいないだろう。昨季にデビューを果たしたばかりだが、その驚異的な突破力で早くも“Jリーグの顔”としての立場を確立しつつある。「なぜ止められないのか」との問いに対し、現役時代に横浜F・マリノスで活躍した元日本代表DF栗原勇蔵氏は、「三笘は“後出しジャンケン”のドリブルができる」と、センターバック(CB)視点で卓越した突破力について解説してくれた。(取材・文=Football ZONE web編集部・城福達也)
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川崎の下部組織で育った三笘は、筑波大学を経て、昨季にプロデビューを果たしたが、J1ルーキー最多得点タイ記録となる13得点をあげるだけでなく、12アシストと計25得点に絡む活躍を見せ川崎のリーグ優勝に大きく貢献。年間ベストイレブンにも選出されるなど、プロ1年目としては歴代最高クラスの強烈なインパクトを放った。
今季も勢いそのままに川崎の主力として多くのゴールに関与しており、今やJリーグで最も注目すべき存在となっている。圧倒的なドリブル突破を最大の持ち味としているが、「仕掛けてくる」と分かっていても、相手守備陣は三笘を防ぐことができないものなのだろうか。
栗原氏は「三笘は“後出しジャンケン”のドリブルができる。だからこそ、止められない」と指摘し、三笘の武器を象徴する2つのドリブルのシーンについて解説している。
まずはJ1リーグ第8節サガン鳥栖戦(1-0)のワンシーンについて言及。1-0で迎えた後半27分、左サイドでパスを受けた三笘は、MF飯野七聖とMF樋口雄太の挟み撃ちに遭うも、独特なステップで振り切ってカットインすると、スライディングタックルを敢行したMF松岡大起も最小限のタッチでかわし、ゴール前までボールを運んでいた。
いとも簡単にスルスルと相手守備網を打開した突破について「足首でかわすドリブル。代表格で言えば、(バルセロナFWリオネル・)メッシが同じようなドリブルをする。ボールを取れるかもしれないと思わせる絶妙な距離感を保っていて、食いつこうか迷わせた状態で勝負できるから、ずば抜けた特別なスピードが必要なわけでもない」と語った。