欧州CL、3クラブの“敗者復活案”浮上 新リーグへ対抗…UEFA「即座に発動」も
準々決勝敗退のバイエルン、ドルトムント、ポルトが4強へ繰り上がるアイデアが判明
先日、欧州ではビッグクラブ主導によるスーパーリーグ構想が発表されたことが大きなニュースとして世界中に広がった。これを受け、対立関係が発生した欧州サッカー連盟(UEFA)は、創設に名を連ねたクラブを即座に今季の公式戦から除外し、敗者復活となる可能性をイタリアのサッカー専門メディア「カルチョメルカート・コム」が報じている。
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現地時間18日に発表された構想では、スペイン、イタリア、イングランドの12クラブとドイツなどから3クラブを加えた15クラブが固定メンバーとなり、さらに5クラブを加えた20クラブでのリーグ戦を実施するとされている。スペインの強豪レアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長が初代会長に着任し、イタリア・セリエAの名門ユベントスのアンドレア・アニェッリ会長は、すでにUEFAの理事を辞任したという。
アニェッリ会長の行動でも分かるように、この構想はUEFAチャンピオンズリーグ(CL)などを主催してきたUEFAに加え、クラブ・ワールドカップ(W杯)の創設などでクラブチームも含め自分たちの支配下に置きたい国際サッカー連盟(FIFA)とも明確に対立する。このため、UEFAもFIFAも「新リーグに参加するクラブ、その所属選手による公式戦出場の資格をはく奪する」という対抗策が、スーパーリーグの構想段階でも報じられていた。
だが、実際に新リーグ構想が発表されるに至り、UEFAはその対抗策を「即座に発動する」可能性があるという。それによって、CLの準決勝に勝ち残っているクラブのうち、スーパーリーグ創設クラブに名を連ねているレアル、チェルシー、マンチェスター・シティは即座に失格。準々決勝で敗退したFCポルト、バイエルン・ミュンヘン、ドルトムントの3クラブを敗者復活とするアイデアがあるという。
昨季のCLを制したバイエルンは現時点でスーパーリーグ参加を表明しておらず、むしろ否定的な姿勢を見せている。そのため、クラブW杯には影響が少ないかもしれないが、今後の展開次第ではスーパーリーグに参加したクラブに所属する選手たちが欧州選手権(EURO)やW杯から除外される可能性も秘めている。構想段階での対抗策には、そうした措置に言及するものもあった。
強豪、名門の集合体による「夢のリーグ」という評価の一方で、完全にサッカー界を分断する行為という批判もあるスーパーリーグ構想だが、まずはUEFAがどのような判断を下すかに注目が集まっている。
(FOOTBALL ZONE編集部)