J2で白熱の「佐藤」対決 3人の同姓選手が躍動、ゲームを支配した東京Vパサーの閃き

永井監督も手放しで優平に賛辞「素晴らしい仕事ぶりだった」

 その後は優平の一人舞台だった。前半終了までの約20分間で決定的なスルーパスを3回通し、CKも合わせれば5つのシュートを演出。守備でも凌我とともにハイプレスをけん引し、山口にビルドアップを許さなかった。後半に入っても3分、ドリブルからアウトサイドパスで若狭のミドルシュートを引き出すと、試合を決めたのは同15分のこと。右タッチライン際の若狭から背中へ送られた浮き球を、ターンしながら右足アウトサイドでセクシーにワンタッチ。ボールはポトリと最終ラインの背後へ落ちた。慌てて関が飛び出すが、走り込んだ小池がインサイドで軽くプッシュ。ボールは無人のゴールへ吸い込まれ、山口にトドメを刺す3点目となった。

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「素晴らしい仕事ぶりだった」と永井監督も手放しで賛辞を送ったが、いつになくアウトサイドキックを連発した優平のプレーは、いつも以上にエロかった。「ヤマ(山下)と凌我、エーコ(小池)くんと裏に出ていく選手がいるので、自分はパサーとして非常に選択肢が多いなかでパスを出せた」と、優平は“さも当然”といった面持ちで語り、常に相手の急所を突くプレーを狙っている選手に「一番危ないところでボールを持たれてしまった」と、山口の謙介は唇を噛んだ。

 この試合で少し残念だったのは、優平vs謙介というJ2屈指のゲームメーカー対決が、山口が「チームとしてアジャストしていなかった」(渡辺監督)ことで優平だけが目立つ結果になってしまったことだ。同姓のゲームメーカー対決といえば(中村)俊輔vs憲剛がすぐ頭に思い浮かぶが、優平は横浜FMで俊輔の、謙介は中央大で憲剛のそれぞれ後輩である。もう俊輔vs憲剛は見られないが、今後もこの後輩たちの対決が見られるのは楽しみだ。Jリーガー“佐藤”大集結の第2ラウンドは10月、維新みらいふスタジアムで行われる。

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