“禁断の移籍”に対する罵声にも平常心のドルトムント主将 「彼らは本当のファンじゃない」

国内二冠を争う両雄を揺るがす去就騒動

 もっとも、ポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキ、ドイツ代表MFマリオ・ゲッツェに続く宿敵バイエルンへの移籍騒動は、多くのサポーターにとって受け入れがたい悪夢のはずだ。ドルトムントのヴァツケCEOが、テレビ局のインタビューでフンメルスのバイエルンへの移籍願望を明かしたことをきっかけに、バイエルンのルンメニゲCEOが交渉の事実を明らかにし、程なくしてドルトムントが公式サイトで主将に退団の可能性が高まっていることを公表するなど、事態は予想以上の急展開を見せている。

 シーズンは佳境を迎えているが、この日首位のバイエルンがボルシアMG相手に1-1のドローに終わったことで、勝ち点5差の2位ドルトムントにも奇跡の逆転優勝の可能性が残った。DFBポカール決勝でも顔を合わせる”ドイツ2強”の間で過熱する、フンメルスの去就騒動。この日のゲームでは大量リードを奪った影響もあったのか、終盤にはフンメルスがボールに触るたびに巻き起こっていたブーイングに、拍手が入り混じるようになっていた。シーズン中の異例とも言える宿敵への移籍表明を行いながら平常心を貫くフンメルスに対して、ドルトムントサポーターの胸中に様々な感情が湧き上がっているのは確かなようだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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