FC東京は川崎の“対抗馬”になり得るか 生命線のブラジル勢、開幕3戦は“調整遅れ”露呈

2戦連続で得点を決めているFWレアンドロ【写真:Getty Images】
2戦連続で得点を決めているFWレアンドロ【写真:Getty Images】

自ら仕掛けて崩す必要のある中位以下から勝ち点を稼げるかが課題

 圧巻だったのは後半29分から2ゴールを返し、さらに決定機を築いたディエゴ・オリヴェイラとアダイウトンを軸としたカウンターである。これでFC東京陣内でゲームをコントロールし続けてきた神戸がずいぶんと間延びして、打ち合いの様相を呈した。

 FC東京は長谷川監督が着任してから、戦力を見極め特徴に即したチーム作りを進め、さらに構想に基づく補強を重ねて研磨してきた。もちろん現時点で比較すれば、とりわけ川崎との質の差は小さくない。だが反面、両極に位置する戦い方を貫くだけに、アクションを仕掛けてくるチームに対しての相性は必ずしも悪くない。

「前線で誰かが当たってくれば活性化してくると思う」

 指揮官の言葉はアバウトに響くかもしれないが、実際にそれが現FC東京のスタイルでもある。川崎がAFCチャンピオンズリーグを戦うのに対し、国内に集中できる今年は大きなチャンス。しかし裏返せば、自ら仕掛けて崩す必要のある中位以下のチームから、確実に勝ち点を稼ぐ課題が横たわる。さらに対等の条件でも川崎に肉薄するには、堅守速攻という基軸を整備するとともに、少しずつでも組織的な質を加えていく必要がありそうだ。

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近東京五輪からプラチナ世代まで約半世紀の歴史群像劇49編を収めた『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』(カンゼン)を上梓。『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(ともにカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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