【開幕特集】G大阪FW宇佐美貴史、チームが目指す“スタイル”再確立を分析 カギは「中盤3枚」

宇佐美が忘れられない23年前のワンシーン「影響が大きかったとかのレベルじゃない」

 幼い頃からG大阪のサポーターとして、ゴール裏の最前列で声援を送ってきた宇佐美。G大阪スタイルは宇佐美がサッカーを始めた時から見てきた姿だ。そんな宇佐美少年にとって、同時に“ヒーロー”として追ってきた背中がある。

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「幼少期、中学、高校は家長くんが一番近くにいて、全く同じルートを通ってくることができた。近くにいた人がこういうルートを通ったからこそ、身近に感じることができた」

 6つ年上で宇佐美の長兄と同学年だった川崎の元日本代表MF家長昭博。小学生時代に在籍した長岡京SSからG大阪ジュニアユース、ユースからトップ昇格は全く同じ経歴だ。家長が小学6年生の時、宇佐美はまだ小学校入園前の幼稚園年長だったが、今でも忘れられない光景があるという。

「うちの兄ちゃんも家長くんも6年生やった時、セレマカップ(京都少年サッカー選手権大会)の決勝戦で4人抜きぐらいした。その4人抜きの形が、カットインしながら4人を抜くんじゃなくて、ボールを持った状態で停止して、その場でクルっと回っている間にスペースを見つけて抜く。ドリブルで3タッチぐらいでクルっと一回転しただけ。ゴールにはならんかったけど、結果4人抜いていたというシーンがあった。スピードやパワーというより、緩急と雰囲気だけでかわす。そういうのを見て目が鍛えられた。今でも覚えているね。ありがたかった。近くにそういう人がいる環境というのは。影響が大きかったとかのレベルじゃないかな」

 今では自身がG大阪の顔となり、ファン・サポーターの“ヒーロー”としてピッチに立つ。宇佐美が描いている理想像は「勝たせる選手」だ。

「決勝点を取るとか、あの選手のおかげで勝てたよね、とか言われるような存在でいたい。勝ち点を積み重ねて、タイトルを獲りましたとなった時に、チーム全員で獲るものやけど、なかでも一番貢献する存在でいたいし、そういうプレーをしたい」

 今季は頂点に立ち、自身が“ヒーロー”に――。今年で29歳となるエースは、21年シーズンの主人公となる強い覚悟を持っている。

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