自分にしかできないゴールを “人間ブルドーザー”鄭大世が貫く唯一無二のストライカー像

鹿島FW上田綺世の裏を取る動きを称賛「僕が勉強している」

 鄭大世が“人間ブルドーザー”の異名を取り、パワフルなゴールが代名詞になるきっかけとなったのが、川崎時代の2007年8月25日に行われたJ1リーグ第22節ガンバ大阪戦(4-1)で寄せてきた相手選手を次々となぎ倒し、GKとの1対1を制して決めたゴールだ。当時23歳、ボーフムとケルン、水原三星、清水エスパルス、アルビレックス新潟を経て、今年3月には37歳を迎えるなかで、ストライカーとして“自分らしさ”は保ちつつも、進化している感覚があるという。

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「川崎時代は点を取って当たり前で、試合にも勝っていたし、楽しかったです。久々にあの時の良いプレーを思い出したいなと思って、当時の映像を見たんですが、足元は下手だし、縦パスもミスるし、正直、今とあまり変わってなくて少し安心しました(笑)。サッカー選手としては、韓国やエスパルスでまたブレイクした時のほうが、自分でも点を取れて、周りも生かせるようになって、確実に成長したと思います。右足、左足、頭、どこでも点を取れるのが自分の強み。試合に出ればシーズン二桁ゴールはいきます。エスパルスに行ってからはミドルシュートを打てる時も自分よりも良いポジションにいる選手に絶対にパスを出すようにしていたから、公式戦49点はほとんどペナルティーエリア内の良いポジションからのゴール。ゴラッソの多かった川崎時代とは対照的ですね」

 昨年11月21日のJ2リーグ第35節ツエーゲン金沢戦(2-1)では、激しく球際で競り合った相手DF石尾崚雅を弾き飛ばし、鋭い左足シュートでネットを揺らす豪快な一撃を決めた。鄭大世も「すごく気持ちは良かったです」と笑顔で振り返る。

「昔のあの感じ、自分にしかできないゴールですよね。今年も自分らしいゴールを決めて、チームを勝たせられたら最高です」

 Jリーグ通算100ゴールを誇る鄭大世が現在、Jリーグで大好きなストライカーは鹿島アントラーズの東京五輪世代FW上田綺世だという。

「上田綺世は、あの世代では別格ですね。興梠慎三(浦和レッズ)、小林悠(川崎)ほどの足元の技術はまだないけど、ストライカーとして持つべき能力は卓越している。ゴール前とか、裏を取る動きは抜群で、僕が勉強させてもらってます」

 一度は現役引退に傾いたなかで、町田での新たな挑戦を選択した鄭大世。年齢を感じさせないエネルギッシュなプレーに期待が懸かる。

※取材はビデオ会議アプリ「Zoom」を使用して実施。

[PROFILE]
鄭大世(チョン・テセ)/1984年3月2日生まれ、愛知県出身。川崎―ボーフム―ケルン(ともにドイツ)―水原三星(韓国)―清水―新潟―町田。J1通算181試合・65得点、J2通算63試合・35得点、北朝鮮代表通算33試合・15得点。敵を弾き飛ばす驚異的なフィジカルと、闘争心あふれるプレーでゴールを陥れる“魂のストライカー”。2010年の南アフリカ・ワールドカップに出場するなど、豊富な経験を新天地・町田の勝利のために還元する。

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