勝利にこだわる手倉森監督が若き日本代表に寄せる思い 「選手達は、大会を通して成長しなければいけない」

立ちはだかるイラクの壁に臨む

 U-21日本代表の手倉森誠監督は、14日の韓国•仁川アジア大会で優勝に向け、マインドゲームを仕掛けた。指揮官は、4-1で勝利した初戦で修練を積んだアギーレ•ジャパンと同じ4-3-3システムではなく、「オプション」と語っていた3-4-3システムで臨んだ。
 大会初戦は何が起こるか分からない。最終ラインにG大阪DF西野、鹿島DF植田、神戸DF岩波を配置。守備に重心を置いたシステムで初戦へのアプローチを明確にした。試合後、指揮官はこう語った。
「イラクについては、今日の試合を見てから練習を考えたい。向こうにも3-4-3で入ったという情報が入っている。手の内を隠した初戦になったと思う」
 試合中も、次戦の相手イラクが脳裏に存在していた。この年代にとっては2連敗中の天敵だからだ。2012年、AFCのU-19アジア選手権準々決勝でイラクに1-2で敗れ、若手の登竜門であるU-20W杯出場権を逃した経緯がある。1月のU-22選手権でも準決勝で0-1と敗戦を喫した。超えられない壁としてイラクがそびえているのだ。イラク打倒にチームの全てを初戦でさらけ出すことはできなかった。
「初戦で勝利できて満足している。前半はかたく、私も手堅さを求めた。チームも固かったが、後半セットプレーから点が入って肩の力も抜けた。勝利の中で2-0から点を取られたところは反省しないといけないところ。選手達は、大会を通して成長しなければいけないと思っている」
 クウェート戦では、形はオプションの一つであっても、カウンターとセットプレーで効率よくゴールを重ねた。この年代の若手は、国際大会の真剣勝負で勝ち抜くたびに急成長を遂げる。初戦前日練習は、イラクへの情報流出を制限するために日本の報道陣以外を非公開とした。大会を通じた成長を見せるためにも、情報戦と、マインドゲームで何としても打倒イラクを果たすつもりだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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