11年ぶりベスト4進出の山梨学院、タレント軍団を屈服させた緻密な“守備戦略”の裏側

プリンス関東で昌平に敗戦も、苦手意識のなさを強調

 守備を崩されたのは後半30分の1度しかなく、この大きなピンチも藤枝明誠とのPK戦で7人目のシュートを止めた勝利の立役者、主将のGK熊倉匠が弾いて事なきを得た。

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 4試合で1失点の堅牢な守備を最後尾で支える熊倉は、「昌平は足もとの上手な選手が多く、個の技術で抜いてきたが中央を締められた。全員の力で勝った試合」と喜んだ。

 昨年9月20日に行われたプリンスリーグ関東の第3節では、昌平に0-1で敗れているが、長谷川監督は「主力数人が出ていないし、雨でぬかるんだピッチで不運な失点。うちもポストをたたくシュートが2本あり、負けたがいい勝負でした」と苦手意識はなかった。

18年のインターハイで初優勝し、3年ぶりに選手権の舞台に戻ってきた山梨学院。第88回大会は初出場で頂点に立った。長谷川監督が就任して初の選手権は、2度目の栄冠まであと2勝だ。帝京長岡との準決勝では、粘りの真骨頂と指揮官の分析力が再び冴えるか。

(河野 正 / Tadashi Kawano)



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河野 正

1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。

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