「力不足だった」 “技巧派集団”昌平が沈黙、2年連続で跳ね返された「選手権8強」の壁

昌平高校は山梨学院に0-1で敗れ、ベスト8で選手権を終えた【写真:河合 拓】
昌平高校は山梨学院に0-1で敗れ、ベスト8で選手権を終えた【写真:河合 拓】

序盤にセットプレーから失点、山梨学院の堅守を最後まで打ち破れず0-1敗退

 第99回全国高校サッカー選手権は5日に準々決勝4試合が行われ、フクダ電子アリーナの第1試合で優勝候補の昌平(埼玉)が山梨学院(山梨)に0-1で敗れ、第71回大会の武南以来、28年ぶりとなる埼玉県勢のベスト4進出はならなかった。

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 高川学園(山口)との1回戦に続いて奪われた先制点が、最後の最後まで重くのしかかった。藤島崇之監督は3回戦で快勝すると、「前回大会は準々決勝で負けて悔しい思いをした。(地元の)埼玉スタジアムに戻れるチャンスなので、3回戦も頑張りたい」と意気込みを示していたが、あろうことか無得点に封じ込められ、初優勝は夢と消えた。

 山梨学院に徹底的に研究され、強みと特長を打ち砕かれた。80分を通じて“らしさ”はほとんど発揮できず、敵の守備網を完全に崩壊した場面も一度しかなかった。

 前半7分という早い時間の失点が決勝点になってしまう。自陣右サイドで山梨学院にFKを与え、キッカーのFW野田武瑠が遠いポストに配球。187センチの長身DF一瀬大寿に頭で折り返され、空中のボールを180センチのFW久保壮輝にヘッドで押し込まれた。昌平のセンターバックは2人とも180センチ台で、GK西村遥己も187センチだが、この一連の流れでは二度も空中戦で競り負けた。

 J1鹿島アントラーズへの加入が内定している主将のMF須藤直輝は、「セットプレーが強いのは分かっていたのに……」と残念がり、藤島監督も「セットプレーという相手の強さを出させてしまった」と、細心の注意を払っていたリスタートからの失点を悔やんだ。

 とはいえ、後半40分から2得点して追い付いた1回戦を考えれば、まだ序の口。勝負はこれからだった。4人のJリーグ内定者をはじめ、人材の宝庫と言われるチームだけに、ここから必ず巻き返し、多くの得点機を手繰り寄せるものと思われた。

 しかし、時間が経過しても一向にいつものリズムが戻らない。J2アルビレックス新潟入りする1トップのFW小見洋太に守備の背後を突く動きがないし、小見にそれを狙わせる縦パスも出ない。須藤も、2回戦で得点したトップ下のMF平原隆暉、3回戦で先制点を決めた右2列目のMF荒井悠汰といった自慢のアタッカー陣が、戦況を一変させるだけのプレーをさせてもらえない。

 山梨学院はボールへの出足が早く、フォアチェックも中盤での囲い込みも精力的で、テンポ良くパスが回らないのだ。15、20、36分に須藤と小見がゴールに迫る惜しいシーンはあったものの、公式記録で前半のシュートはゼロだった。

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河野 正

1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。

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