肺がんと戦った元フットサル日本代表FP久光重貴、最後まで湘南の一員として闘病を続けて逝去

肺がんのため亡くなったFP久光重貴【写真:河合拓/Futsal X】
肺がんのため亡くなったFP久光重貴【写真:河合拓/Futsal X】

湘南が絶対王者・名古屋に勝利した試合をユニフォーム姿で観戦しながら天国へ

 最後まで湘南ベルマーレの漢だった。19日、湘南ベルマーレフットサルクラブに所属するFP久光重貴が肺がんのため、亡くなった。39歳だった。

 久光は帝京高卒業後、フットサルに転向。カスカヴェウ(現ペスカドーラ町田)で中心選手となり、2008年に湘南へ移籍した。その後、2009年にはミゲル・ロドリゴ監督の率いるフットサル日本代表に選出され、リビア遠征に参加。湘南でも主軸を担ったが、2011年に骨髄炎を発病する。医師には、自力での歩行ができない可能性もあると診断されたが、骨髄炎を完治させて、選手として再始動した。

 しかし、2013-14シーズン開幕前のメディカルチェックで、右上葉肺腺癌が見つかる。この時点でステージⅢBと、かなり病状は進行しており、医師からは余命宣告を希望するかと問われたものの、それを拒否して治療を続けながら、現役のフットサル選手としてアジア最高峰のFリーグのピッチに立ち続けた。

 久光は薬や治療で病状が抑えられなくなると、生きるための治療に入るため、入退院を繰り返した。そのたびに、一般人以下の体力、フィジカルコンディションに戻りながらも、驚異的な精神力でトレーニングを行い、再びアスリートの体に戻してピッチに立ち続けた。また、癌の啓発や小児癌を患った子供たちへの支援活動などを精力的に取り組んできた。闘病を続けて7シーズン目となった昨季も、2020年1月11日のヴォスクオーレ仙台戦(3-1)が最後の出場となった。今季は新型コロナウイルスの影響でシーズンの開幕が遅れ、コンディション調整のタイミングが合わず、ピッチに立つことは叶わなかった。

 今月6日に行われたJリーグの湘南ベルマーレとガンバ大阪の試合前には、湘南の選手たちが久光の支援Tシャツを着用し、G大阪の選手たちも支援Tシャツを持って集合写真を撮影するなど、競技を超えて支援の輪が広がっていた。

 19日には湘南とFリーグ3連覇中の名古屋オーシャンズの一戦が行われ、選手入場時には両チームが「久光重貴支援Tシャツ」を着用して入場、写真撮影を行った。久光もこの試合を自宅で、ユニフォーム、パンツ、ソックスを着用して観戦しており、湘南がFPロドリゴの2点目のゴールで今季全勝の名古屋に3-3で追いついた様子を確認し、息を引き取ったという。なお、湘南はその後、カスカヴェウ時代もチームメートだったFP本田真琉虎洲のゴールで名古屋に逆転し、4-3で勝利を収めた。選手たちには勝利のラインダンス後、ロッカールームで訃報が知らされ、久光に対面しに行ったという。

 湘南は、クラブを通じて「かねてより闘病を続けながら私たちと共に戦ってまいりました湘南ベルマーレフットサルクラブ所属の久光重貴選手が12月19日に逝去いたしました 共に戦っていただいた皆さまへの御礼と合わせてここに謹んでご報告させていただきます」と、声明を発表している。

(Futsal X・河合拓 / Taku Kawai)


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