大迫も「純粋なFWとは言えない」 ドイツ人”元J得点王”が指摘、日本人FWに足りないものは?
【元J得点王・オルデネビッツ氏インタビュー|第3回】日本人選手が欧州で“苦労する”ポジションとしてFW、CB、GKを列挙
近年、日本代表の招集メンバーの大半が“海外組”であることが当たり前になり、欧州各国では毎週、日本人選手がそれぞれのクラブで様々な戦いを繰り広げている。将来的な海外挑戦をキャリアの目標の一つに掲げる若手も多い。そこで、日本人選手が欧州の主要リーグであるブンデスリーガのクラブでプレーする場合、最もレギュラー獲得の可能性が高そうなポジションと、最も厳しいと思われるポジションについて、ジェフユナイテッド市原でプレーした1994年にJリーグ得点王に輝き、現在はブレーメンでスカウトを務めるフランク・オルデネビッツ氏に話を訊いた。
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「可能性が高いのは、サイドハーフやトップ下、ボランチといった中盤のポジション。日本人はテクニックと運動量があるから、サイドバックも合っていると思う。フォワード(FW)は難しい。日本人がブンデスリーガで得点王になるというのは、今の時点では考えにくいし、もしも日本に良いFWがいるなら、もうヨーロッパに来て活躍しているはずだしね。
センターバック(CB)も日本人の体のサイズを考えると厳しい。日本では大柄な選手でも、こっちに来ると普通の大きさだからね。ゴールキーパー(GK)は、私がJリーグでプレーしていた頃には日本にとって問題とも言えるポジションだった。もしかしたら、今もそうかもしれない」
期せずして、難しいポジションとしてFW、CB、GKの3つが候補として挙がってきたので再度聞き直したところ、「FWだね」との答えが返ってきた。確かに、これまで欧州の主要リーグでシーズン二桁得点を達成したのは、高原直泰(2006-07シーズン/11ゴール)と岡崎慎司(2013-14シーズン/15ゴール、2014-15シーズン/12ゴール)の2人だけ。Jリーグを見ても、毎年15ゴール以上を取ってコンスタントに得点ランキングの上位に名を連ねるFWは限られている状況だ。
「そうした得点力不足は、海外に出ればより大きな問題になる。Jリーグで15ゴール取れないFWであれば、ヨーロッパではせいぜい5ゴールぐらいだろう。昨シーズンのユウヤ(大迫)は8ゴールを決めたが、それでは少な過ぎる。彼もまた純粋なFWとは言えない」