浦和レッズの「9」番――。

　それは、エースストライカーであると同時に、誇りと覚悟を背負う、クラブを象徴する番号だ。

　2016シーズンよりその9番を背負うのは、昨季チーム得点王となった武藤雄樹だ。クラブから9番を打診された時、少し考える時間を持ってから、素直に「つけたいと思った」という。

「浦和の9番は、歴代のエースがつけてきた番号ですし、ファン・サポーターから愛された選手がつけてきた番号です。自分はまだそこまでたどり着いていないですけど、つけることで、それにふさわしい選手になりたい」

　シーズンが始まり、武藤は有言実行の活躍を見せている。ACL初戦のシドニーFC戦、そしてJリーグ開幕の柏レイソル戦と、開幕してから連続してゴールを奪い、チームを勝利に導いた。誰もが期待する「9」番の姿は、確かにそこにあった。

　ミスター・レッズをして「大きな責任がある」と言わしめる、このエースナンバーの系譜を振り返っていく。