プレミア陥落のボーンマス、ゴールラインテクノロジー不具合で訴訟検討と英メディア報道

プレミアリーグからの降格の決まったボーンマス【写真:Getty Images】
プレミアリーグからの降格の決まったボーンマス【写真:Getty Images】

残留を争ったアストン・ビラの失点がゴールラインテクノロジーの不具合で認められず

 イングランド・プレミアリーグからの降格が決まったボーンマスは、ゴールラインテクノロジー(GLT)の不具合によって不利益を被ったとして、同システムを開発・運用する「ホークアイ・イノベーションズ」社に対して訴訟を検討しているという。英衛星放送「スカイ・スポーツ」などが報じている。

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 2019-20シーズンがプレミア昇格5シーズン目だったボーンマス。粘り強く残留戦線を勝ち抜いてきたが、今季は最終節でエバートンを3-1で下したものの、17位アストン・ビラに勝ち点1及ばず、18位でチャンピオンシップ(実質2部)降格が決まった。

 ただ、ボーンマスにとっては納得できない点があった。6月17日に行われた第28節で、最終的に残留を争うことになったアストン・ビラが、シェフィールド・ユナイテッドと0-0で引き分けた試合での出来事が、その原因だ。

 この試合の前半42分、シェフィールドMFオリバー・ノーウッドが左サイドからFKを蹴り込むと、アストン・ビラのノルウェー代表GKエルヤン・ニーランがキャッチ。ニーランは着地後にゴール左ポストに直撃し、バランスを崩してゴールネットとポストにもたれかかるような体勢となった。ボールは手に持ったまま離さなかったが、空中でゴールラインを越えたように見え、シェフィールドの選手もゴールと判断して喜んだ。

 しかし、判定はノーゴール。マイケル・オリバー主審はGLTからの信号がないとして、“幻のゴール”となった。この対応自体に誤りはなかったが、問題はテクノロジー側にあった。試合後、ホークアイ社はシステムの不具合を認め、謝罪の声明を発表している。

 それから1カ月半が経ち、アストン・ビラは残留レースの勝者となったわけだが、勝ち点1差、それも得失点差では上回っている状況で後塵を拝する形となったボーンマスは納得いかない。「スカイ・スポーツ」によると、ボーンマス首脳陣は今週中に会議を開き、ホークアイ社に降格の責任を問うための訴訟を起こす可能性を検討するという。

 前代未聞の事態に発展しようとしているなか、同メディアは法律家の意見も掲載。プレミアリーグから陥落することによる影響の大きさを認めつつも、「過去9000試合で運用され、これが最初のケースだ。その精度は驚くべきものであり、受け入れなければならない」と指摘し、「ボーンマスにとっては困難な道となるだろう」と予測している。

 テクノロジーの導入によって判定に好影響が出ていることは確かだが、今回のような“レアケース”も発生し得ることは認識しておくべきだろう。結果的に残留ラインに関わる1点で“不具合”が発生し、ボーンマスにとってもホークアイ社にとっても、不運な出来事となってしまった。

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