新生・長野Lが掲げる「2部リーグ優勝」 リーダー泊志穂が自身に課す“ノルマ”は?

3年ぶりにAC長野パルセイロ・レディースに復帰したFW泊志穂【写真:©2008 PARCEIRO】
3年ぶりにAC長野パルセイロ・レディースに復帰したFW泊志穂【写真:©2008 PARCEIRO】

2年半の海外挑戦を経て古巣に復帰 得点力不足解消のキーマンとして重責を担う

 なでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)は、新型コロナウイルスの影響で開幕延期となっていた2020年シーズンがついに開幕。5年ぶりに2部リーグを戦うAC長野パルセイロ・レディースは、佐野佑樹新監督の下で2部リーグ優勝を目指す。ルーキーを含めて新加入13名というフレッシュな陣容のなか、キャプテンのGK池ヶ谷夏美とともに牽引役を期待されるのが、3年ぶりに古巣復帰を果たしたFW泊志穂だ。

 2018年1月にオーストリア女子2部FCヴァッカー・インスブルックへ移籍するまで、3年間在籍した当時のメンバーで現在も所属しているのはGK池ヶ谷夏美、DF野口美也、DF五嶋京香の3人のみ。泊は「戻ってきたというより、新しいチームに移籍してきた感じ」と笑う。

「今年のパルセイロは新加入が多くて、なでしこリーグを初めて経験する選手もたくさんいる若いチーム。シーズンを戦うなかで、そこは強みになると思っています。監督が目指すサッカーも全員攻撃・全員守備を掲げているので、運動量だったり、切り替えの速さ、戦う姿勢を見てほしいです」

 昇格1年目の2016年にいきなり過去最高位の3位という成績を残し、1部を戦ってきた長野Lだったが、9位に沈んだ昨季はリーグ最少タイの15得点。そのうち、5ゴールを挙げていたFW横山久美が米NWSLワシントン・スピリットへ移籍しただけに、得点力不足を解消するうえで経験豊富な泊に懸かる期待は大きい。

「私がいた頃も含めて(横山)久美に頼っていたところはありましたし、攻める時はとにかく久美にボールを集めるサッカーでした。今は全員サッカーを掲げている分、みんなの長所を生かせられるようなプレーが自分たちの強さになると思うし、私自身も最年長、ベテランと言われる立ち位置にいるので、FWとして得点に貢献したいです」

 泊は身長153cmながら、オーストリアでの1年半でリーグ戦22ゴールを記録。2019年に移籍したドイツ2部BVクロッペンブルクでも屈強な外国籍選手たちにもまれてきた。海外挑戦により、ディフェンダーとの駆け引きを学ぶことができたと語る。

「最初は当たり負けするというネガティブなイメージが強かったんですけど、逆に自分のほうが小さい分、懐にボールが入った時は相手も見にくかったり、ぶつかって来にくい。ボールの持ち方は考えるようになったし、ステップワーク、一瞬の反応なら勝てていたので自信になりました。海外はカバーの概念があまりなくて、1対1を重視している分、食いついてきてスペースが空くので、そこに飛び込んで決める得点パターンが一番多かったです。今までは感覚でやってきたので、相手との駆け引きはそこまで考えてこなかったんですけど(苦笑)、今は相手が嫌なポジションに立つように言われますし、それができたらもっと成長できると思っています」

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