【THIS IS MY CLUB】日本のバルセロナを目指して 今治社長が語る世界を見据えた新たな航海

FC今治は今年、Jリーグクラブとしての第一歩を踏み出す【写真提供:FC今治】
FC今治は今年、Jリーグクラブとしての第一歩を踏み出す【写真提供:FC今治】

【矢野将文社長インタビュー|前編】ついにたどり着いたJの舞台 新チームの見どころは「躍動感」

 3月のスタートを予定していたJ3リーグが、いよいよ開幕の時を迎える。新型コロナウイルスの影響により、無観客の“リモートマッチ”での開催となるが、サッカーのある日常が戻ってくることに心躍らせる人は多いはずだ。

 再開を前に、Football ZONE webも参加している「DAZN Jリーグ推進委員会」では、J1からJ3までの全56クラブを対象に「THIS IS MY CLUB – FOR RESTART WITH LOVE -」と題したインタビュー企画を実施。FC今治からは、岡田武史会長を支えてきた矢野将文社長に登場してもらい、愛するクラブやJリーグ初挑戦への思いを語ってもらった。

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 1976年に大西サッカークラブとして創設され、2012年に現在の名称となったFC今治が大きな変化の時を迎えたのが2014年11月。元日本代表監督の岡田会長がオーナーに就任し、5年半で四国リーグ、JFL、J3とカテゴリーを上げ、2020年からJリーグクラブとして第一歩を踏み出す。

 愛媛は四国の他県同様に野球が盛んな地域だが、過去には元日本代表MF福西崇史、日本代表DF長友佑都(ガラタサライ)、日本代表MF鎌田大地らを輩出。岡田会長が掲げる理念に共鳴した人材が集い、現チームにはDF駒野友一やMF橋本英郎という日本代表経験者も所属するなど、今治のサッカー熱は年々高まっている。愛媛県出身で、自身も若き日はサッカーに打ち込んでいた矢野社長も、J3昇格に伴う期待の大きさを感じるという。

「愛媛県は1989年度、南宇和高校が高校サッカー選手権で四国勢初の優勝を飾りました。野球の街に、団塊ジュニア世代(1971~74年生まれ)から徐々にサッカー人口が増えて、県全体の人口140万人の中にJリーグクラブが二つ(FC今治、愛媛FC)というのは(人口規模が)一番少ないと思います。これまでサッカーチームがなかった東予地方に、『Jリーグクラブ:FC今治』が誕生して、今後楽しみにして頂けると思います」

 チーム編成に目を移せば、今治はJリーグ初経験の選手も少なくない。スペイン人のリュイス・プラナグマ・ラモス新監督の下でどのようなサッカーを展開するか、昇格初年度の大きなポイントになるが、矢野社長は「躍動感」を見どころの一つに挙げる。

「多くの選手がようやくJリーガーになったということで、喜びを爆発させて躍動感ある戦いを見せてくれると思います。そして、情熱的なリュイス監督が岡田氏らの意見を聞きながら、非常に上手くチームを作ってくれています。サッカーの特長はハードワーク。昨年に小野(剛)監督の下で磨いた守備をベースに、練習試合でも前線からプレッシャーをかけていますし、落ち着かせるところは落ち着かせる、戻すところは戻すと攻守の切り替えにメリハリがあります。監督と選手の一体感がうちのチームの面白いところです」

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