【THIS IS MY CLUB】日本のバルセロナを目指して 今治社長が語る世界を見据えた新たな航海

新スタジアムのイメージ【画像提供:FC今治】
新スタジアムのイメージ【画像提供:FC今治】

新スタジアム竣工を2023年に控え、スタジアム・ビジネスの確立が経営面の課題

 2017年夏に完成し、本拠地とする「ありがとうサービス.夢スタジアム®」はJ3クラブライセンス基準の収容人数5000人。J1基準を満たす1万5000人規模のスタジアムを建設する案が19年11月に示され、今年1月の新体制発表会で概要詳細が発表されるなど、23年の竣工予定に向けて経営面でも重要なシーズンとなる。

「FC今治はまだJ2対応のスタジアムが地元にありません。2019年12月に新スタジアム建設用地を無償でお貸し頂くことが議決され、経営として回るスタジアム・ビジネスを確立するのが目下のミッションです。新型コロナウイルスの影響による入場料収入減、パートナー(スポンサー)に来年も同じ金額で契約していただけるか不安もたくさんありますが、今年、来年は着工に向けた資金調達を含めて様々な経営面の課題を解決していかないといけません。

 私たちはまだ駆け出しで、昨年の平均来場者数は3100人台でした。J3にはそれ以上のクラブがたくさんありますので、もっと来場して頂いてJ2への道を作っていく必要があります。今治市民の皆様に『自分たちの街にJリーグクラブができた』と喜んで頂いているなかで、今治の東側に位置する西条市、新居浜市、四国中央市の皆様からも大きな期待を受けていて、トップパートナー契約を結んでユニフォームの胸部分にロゴを入れさせて頂いている『ユニ・チャーム』様は、もともと創業が四国中央市なんです。人口14~15万人の今治を含めて、東予4市の約50万人の皆様には『自分の街のチーム』と思って頂ければと考えています」

 いわゆる“地方クラブ”としては、熱狂的なファンを持つ松本山雅FCを参考にしつつ、スペインの名門バルセロナのようにサッカー文化をさらに根付かせていきたいと、矢野社長はビジョンを語る。

「私個人としては、圧倒的なサッカー文化を醸成しているFCバルセロナさんの『More than a club(クラブ以上の存在)』という考え方には感銘を受けました。日本国内では、情熱的なファンによって平均来場者数が多い松本山雅さんは素晴らしいと思います。松本市は人口24万人、安曇野市など周辺人口を含めても36万人で平均来場者数が約1万8000人、つまり総人口の5%が平均して来場しているわけです。今治だけ考えると、人口15万人として5%で7500人。周辺人口50万人まで広げて考えれば可能な数字かもしれませんが、平均1万8000人となるとまだ私はイメージができていません。松本山雅さんのスタジアムに行った際に本当にびっくりしました。老若男女が試合に向けて盛り上がっていくあの感覚は、日本の地方クラブでもできるんだという点で参考にさせて頂きたいと思います」

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