自粛=活動休止なのか? コロナで向き合う“子どもとサッカーのあり方”、街クラブ創設者の提言

中田氏が懸念するサッカーの再開 「それはちょっと違うのではないかなと」

 一方、三重県でリスク対策をして活動していても、活動自体を休止にするべきというクレームが入ることもあったという。

「我々は政府が出している『自粛の定義』(不要不急の外出を避ける・3密を避ける・時間的、人数的なヒト接触8割)を遵守しながら活動していましたが、『自粛』の解釈の世間の中での違いを非常に感じた出来事でした。補償もガイドラインも示されないなかで、各クラブが『自粛』して運営できる基準に我々がなれればと考えていました」

 現在、緊急事態宣言が解除されたことから、アカデミーも今後試合が行われていく流れにあるようだが、「それもどうなのかなぁ……と。というのも、体力的な面でね。これだけ自粛で完全に止まっていたなかで、開放的になってリーグ戦もすぐに始まる。それはちょっと違うのではないかなと。家にずっといて、ハードなトレーニングをするはずはないと思っているので、やはりしっかり体を作ったうえでやってほしいとは思っている」と、フィジカル的なフィットネスを懸念していた。

 世界全体で見ても、リーグ再開後の負傷者が続出する傾向にある。それは、やはり在宅トレーニングではカバーできる範囲に限界があることを示しており、フィジカルが整っていない状況下で、過密日程で残り試合を消化することが不安要素になると、中田氏は指摘していた。日本でもこの数カ月間、新型コロナウイルスの影響により様々な活動が休止されてきたが、果たして「自粛」というもの自体をどのように定義するのか――。第2波の到来も予想されるなか、中田氏の提言は大きな意味を持つものになるかもしれない。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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