鬼門の8強で冴え渡った手倉森采配 120分を見据えた用兵術がイラン撃破を導く

視線はすでに準決勝の戦いへ

 そして、交代カードの選択もピタリとハマった。延長前半5分、途中出場のMF豊川雄太(岡山)が、室屋成(明治大)からのクロスを頭で決めた。さらに、延長後半4分と5分にはスタメン出場のMF中島翔哉(FC東京)が立て続けに2ゴール。「豊川は最初にスタメンの予定だった。それを(中島)翔哉に変えた。出し入れした2人が結果を出してくれた」と、切り札に成り得る選手をベンチスタートにした采配が功を奏した。

 もっとも、この日の勝利で本大会出場が決まったわけではない。「(出場権を)奪ってみせろと言って、勝利を本当に奪ってくれた。これをやり続けるだけだという話をしたい」と、視線はすでに26日の準決勝に向いている。

「ますますしびれる試合になる。日本から多くのパワーを送って下さい」

 指揮官はこう締めくくった。イラクとUAEの勝者と対戦する準決勝に勝利すれば、1996年のアトランタ大会以来、5大会続いている五輪出場が決まる。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

 
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