「どれほど価値ある選手か…」 遠藤航をシュツットガルト幹部が称賛「人間的に素晴らしい」
【ドイツ発コラム】ミスリンタットSD、ボランチとCBをこなす遠藤の万能性を高く評価
ホームでアウエに3-0と完勝した後のミックスゾーン。ブンデスリーガ2部シュツットガルトのスポーツディレクター(SD)を務めるスヴェン・ミスリンタットは、地元記者に囲まれながら上機嫌で受け答えしていた。
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リーグ戦のホームゲーム5連勝。今年に入ってからは3試合で勝ち点7を手にしている。今のチームには若手かベテランかに偏ることのない、ちょうど良いハーモニーがある。ミスリンタットも「マリオ(・ゴメス)、(ホルガー・)バトシュトゥバー、(マルチン・)カミンスキ。そうした選手の存在が、チームにどれだけの安心感を与えてくれているか。若手かベテランかではなく、いいミックスの中で雰囲気が作られているんだ」と強調していた。
そんな話の流れから、地元記者が日本代表MF遠藤航のことを尋ねた。
「ワタルは今日、とてもいいプレーを見せていたと思う。特に後半のプレーは素晴らしかった。ボランチこそ、まさに彼のポジションなのでは?」
ミスリンタットはその質問に対して満足そうに頷くと、すぐに自分の意見を口にする。
「それだけではなく、センターバックでのプレーにも私は強烈な印象を受けているよ。今日もそうだし、この前のレバークーゼンとのカップ戦でもそうだった。それこそ日本での彼のポジションは、そこなのかもしれないと思うほどだ。ワタルがどれほど価値のある選手かは考えるまでもない。選手として、人間として素晴らしいんだ。彼がウチにいてくれることを嬉しく思うよ。いつでも安定したパフォーマンスを見せてくれるし、チームにとって重要な位置づけにいるんだ。センターバックでプレーしようと、ボランチでプレーしようとそれは変わらない」
この試合、遠藤は3バックの左センターバックとしてスタメン出場しているが、なんの問題もなく的確なプレーでチームに安定感をもたらしていた。センターバックでのプレーについて、遠藤自身は試合後、次のように語っている。
中野吉之伴
なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。